ビットコイン(BTC)が11,000ドルの壁を突破したことで、上位3つのステーブルコインのオンチェーン上の活動が活発化している。
出典: Glassnode. USDT、DAI、USDCの7日間の平均転送量
ステーブルコインの成長
市場をリードするテザー(USDT)を含むいくつかのステーブルコインは、時価総額の大幅な増加を遂げた。USDT、DAI、およびUSDコイン(USDC)の転送量の大幅な増加は、最近のビットコインの強気の値動きと一致していることがわかる。
取引量の増加とは異なり、ステーブルコインの転送量の増加は、仮想通貨(暗号資産)エコシステム内でのコインの使用率をよりよく表すものだ。追加の法定通貨が投入されない限り、実際の強気の動きは起きないわけだが、ビットコイン取引に関してはステーブルコインが優勢であるようだ。実際、多くの仮想通貨を保有する「クジラ」による取引の場合は法定通貨ではなく、ステーブルコインで取引されている。
3億ドルのテザーのスワップ
テザーは29日、トロン(TRX)からイーサリアムへの3億ドルのスワップを発表している。トロンのブロックチェーンからイーサリアムのERC20プロトコルへの変換が行われた。
出典: Twitter.
テザー側は、このスワップの理由を示してはいないが、トロンのネットワークでの需要が不足している可能性が考えられるだろう。
テザーの取引所への流入も増大
さらに 仮想通貨(暗号資産)データ分析企業のグラスノードによると、ステーブルコインであるテザー(USDT)の仮想通貨取引所への流入が過去8ヶ月で最高レベルに達している。ビットコイン(BTC)価格の急騰により、28日に2019年11月以来の高い流入を記録した。
これまでに仮想通貨分析企業のサンティメントのデータからは、取引所が保有するUSDTとビットコイン価格の間に逆相関があることを指摘されていた。しかし、USDTはビットコインを取得する手段として人気の通貨でもあることから、今回のビットコイン上昇で取引所への流入が増加したものと考えられる。
USDTは仮想通貨全体の中でも注目が高まっている。最近ではリップル(XRP)を抜き、時価総額が3位となった。今月は時価総額が100億ドルを超えたことが報じられた。現在は120億ドルを突破し、ステーブルコイン全体の時価総額の大部分を占めている。
USDTは時価総額だけでなく、取引量も増加している。2020年3月に記録した過去最高には及ばないものの、BTC/USDTペアの取引量はビットコインの価格上昇に伴い増加している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン