現物型ビットコイン(BTC)上場投資信託(ETF)の申請企業が、米証券取引委員会(SEC)に提出した「フォームS-1」の修正申告を行っている。

米国で最初のビットコインETFは1月10日に承認されると広く予想されている。「フォームS-1」の修正には、ETFの取引手数料やマーケットメーカーに関する情報が含まれる。

「フォームS-1」の修正申告を行ったのは米デジタル資産運用会社ヴァルキリーの他、ウィズダムツリー、ブラックロック、ヴァンエック、インベスコ、ギャラクシー、グレイスケール、アーク・インベストと21シェアーズだ。

注目すべきはビットコインETFの取引手数料が大幅に引き下げられるという点だ。

例えばアーク・インベストと21シェアーズのS-1によると、ビットコインETF上場から6ヶ月間、最初の10億ドルの取引に対して0.25%の手数料が免除されるという。

またブラックロックのビットコインETFは、最初の6ヶ月間、または最初の50億ドルの取引に対して0.2%の手数料とする。6ヶ月後、0.30%まで引き上げられる見込みだ。

ビットコインETFを巡る「手数料戦争」が始まったようだ。

現在申請されているビットコインETFで手数料が最も低いのはビットワイズで、最初の6ヶ月(または最初の10億ドル)の手数料は無料、その後0.24%と攻めの姿勢だ。

これに続くのがアーク・インベストと21シェアーズで、こちらも最初の6ヶ月間と資産10億ドルまでは無料、その後は0.25%の手数料がかかる。もともと0.80%に設定されていたのが0.25%に下がったことは衝撃的だ。 ブルームバーグの著名アナリスト、エリック・バルチュナス氏によると「手数料戦争は激しいが、これは別次元だ」。

ヴァンエックは0.25%、フランクリンは0.29%、フィデリティは0.39%だ。

世界的な資産運用会社ブラックロックは、iシェアETFの手数料を最初の12ヶ月または最初の50億ドルまでは0.20%に設定し、その後継続手数料として0.30%に引き上げた。

手数料の高い方では、ウィズダムツリーが0.5%、ギャラクシー・インベスコが最初の6ヶ月は無料、その後0.59%となる。ヴァルキリーが0.80%、ハッシュデックスが0.90%となっている。 一番高いところではグレイスケールが手数料を2%から1.5%に引き下げた。

ちなみに提示された手数料は最終ではないことに留意する必要がある。さらに手数料が下がる可能性もある。

バルチュナス氏によると暗号資産取引所におけるビットコイン取引手数料も引き下げられる可能性があるという。

最終的なビットコインETF申請修正案が提出された後、米証券取引委員による投票が行われる。ビットコインETFの市場デビューは米東部時間で1月11日前後と予想されている。

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