高級美術品オークションハウスのサザビーズは、今年のデジタルアート売り上げが「3500万ドル(約50億円)に迫る」と発表した。同社のデジタルアート担当バイスプレジデント兼責任者であるマイケル・ブーハン氏は、2023年を「デジタルアートにとって最もエキサイティングな年の一つ」と評した。

12月23日、ブーハン氏はX(旧ツイッター)でサザビーズによるデジタルアートに関する年間結果を発表した。2023年、サザビーズは300人の参加者を集め、売上高1200万ドルの初のライブデジタルアートオークションを開催した。また、デジタルアーティストのDmitri Cherniak氏が制作した「Ringers #879」というノンファンジブルトークン(NFT)を620万ドルで売却し、これまでで最高額のデジタルアート作品の販売記録を樹立した。

サザビーズは、デジタルアートに特化したオークションを25回以上開催したほか、現代アート作品の販売にデジタルアートを含めるなど、さまざまな取り組みを行った。また、NFTの二次流通のための独自のオンチェーンマーケットプレイス「Sotheby’s Metaverse」も立ち上げた。

ブーハン氏によると、サザビーズは来年、クリエイターの支援とプライマリー市場戦略の強化に注力するという。

279年の歴史を持つサザビーズは、2021年4月に、パクという仮名のデジタルアーティストの作品をオークションにかけて、NFTシーンに初登場した。それ以来、サザビーズは数々の記録的なデジタルアート販売を行っている。

最近のビットコイン(BTC)の強気相場により、NFT市場は復活し、11月には総取引量が10億ドルに近づいた。同月、NFT取引の平均額は126ドルから270ドルに急増し、ユーザーが以前の月よりも高額な取引を実行する意欲が高まっていることを示唆している。