損害保険ジャパンは、レイヤーX(LayerX)とともに電車などの事故の発生を自動で検知し、申告なしで即座に保険金を支払う実証実験を18日から始める。スマートコントラクトを活用し、事故などの事実を確認し、即座に保険金を支払う。レイヤーXによると、Maas領域で、ブロックチェーン技術を活用したサービスを消費者向けに提供する実証実験は国内初だという。

実証実験は9月30日まで行う。

まずは航空機関や電車の遅延による事故の損害補償からはじめ、企業向けなどの保険に拡大する。ユーザーからは事故の申告や証明書の提出が必要なくなるといったメリットがある。また、宿泊代などの費用が余計にかかる際に電子マネーの形で即座に受け取れるようになる。日経新聞によると、これまでは事故の発生から2週間ほどかかっていたという。

まずは8月中に経路検索のナビタイムジャパンと関東地方で実証実験を始める。JR宇都宮線・高崎線・埼京線電車の遅延情報を元に、契約者を位置情報によって把握し、遅延で損害を受けた場合に「ニューデイズ」で使えるクーポンを発行するという。

こうしたクーポンを保険金と見立て、2022年の実用化を目指す。

レイヤーXの執行役員兼LayerX Labs所長である中村龍矢氏はコインテレグラフに共有したリリースの中で、「本実証実験は、スマートシティの中でも最重要パーツのひとつであるMaaS領域におけるブロックチェーン技術の活用、また保険会社において大量の紙のやり取りが残る事故情報の収集・査定ならびに保険金支払業務の自動化を試みる、従来の業務プロセスを大きく変革する可能性のある取組み」であると説明した。

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(出典:レイヤーX「実証実験の概要」)