分散型取引所として知られるスシスワップ(SushiSwap)をソラナ(Solana)ブロックチェーン上に移植する提案が出てきている。

背景にあるのが現在スシスワップの基盤となっているイーサリアムの手数料問題だ。今回の提案はスシスワップにおける仮想通貨のスワップ(交換)やステーキング(預金して利子を得る行為)をより早く、安くすることを目指す。ソラナはプルーフ・オブ・ステーク(POS)ベースのブロックチェーンで、実用的ビザンチン・フォールトトレラント (PBFT)性のある合意形成アルゴリズムを用いる。取引処理性能が高いのが特徴だ。

「ボンサイ(盆栽)」と銘打たれた提案によると、スシスワップの流動性プールをソラナ上で展開される分散型取引所(または自動化マーケットメーカー)であるレイディウム(Raydium)と統合する。

さらに、レイディウムとスシスワップが連携しソラナ上で展開されているSerum DEX (セラムDEX)におけるステーキングもサポートするという構想だ。

ちなみにレイディウムは2月21日にローンチされたばかり

まずは2021年の第一四半期中にレイディウムのテストネットで「盆栽」をテストし、その後ソラナ・ブロックチェーンのメインネット上で本番稼働させるプランだ。

ユーザー側からみると、スシスワップのサイト上で、レイディウムとつながる新たなサービスが追加される形になる。

スシスワップは2020年8月に分散型取引所ユニスワップから分岐してできた分散型取引所で、多くのユーザーの支持を得ている。Dappradarによると現在プールされているのは36億ドルあまり。分散型取引所としてはトップレベルで、ユニスワップ等と並んで分散型金融の旗手的な存在だ。

イーサリアムのガス代問題を背景に現在バイナンススマートチェーン(BSC)という高速のブロックチェーンやそれを使って展開されている取引所パンケーキスワップといったサービスが人気を集めており、スシスワップもこういった競合チェーンの動きを意識しながら開発をすすめていくとみられる。

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