ソラナ(SOL)のネイティブトークンであるSOLが3月1日に23カ月ぶりの高値を記録し、1週間で34.5%の上昇を見せている。ステーブルコインを除くと仮想通貨市場で時価総額第4位のソラナだが、第3位のBNB(BNB)との差を縮めつつある。重要なのはSOLの上昇を後押しした要因と、この競合他社に対するアウトパフォーマンスが持続可能かどうかだ。

過去数カ月間、SOLの価格は100ドルのサポートを固めようとしていた。2月23日以前から強気相場が始まったと言うのは不正確だろう。実際、2023年12月23日から2月23日までの間にSOLはわずか2%の増加にとどまった。同期間にイーサリアム(ETH)は25.5%、トロン(TRX)は31.5%の上昇を遂げた。したがって、SOLに有利なダイバージェンスを引き起こした何かは、過去1週間の間に発生したと考えられる。
SOLの大幅な上昇に加えて、ソラナ系のミームコインも過去1週間で需要の顕著な急増を見せた。ボンク(BONK)は2月23日以降110%の増加を記録し、ドッグウィファット(WIF)は同期間に250%の大幅な上昇をみせた。この傾向はソラナネットワークのトークンに限定されていない点に注意が必要だ。ドージコイン(DOGE)とシバイヌ(SHIB)も2月23日以降約51%の上昇を記録している。しかし、。トレーダーたちは分散型取引所(DEX)を通じて取引をしたことから、これらの人気トークンからの需要がSOLに影響を及ぼしている可能性がある。
2月27日にニューヨークタイムズの報道によると、破綻したFTXの元CEOで有罪判決を受けたサム・バンクマン-フリード氏が、刑務所の看守にソラナへの投資を勧めていたとされている。バンクマン-フリード氏は2023年11月2日に詐欺など7件の罪状で有罪判決を受けた。バンクマン-フリード氏の意見がSOLの利益と関連があるかどうかは分からないが、記事の公開時期的にはこの報道も影響を与えたかもしれない。
SOL価格の最近の急騰が単なる憶測を超えたトークンへの需要増加に伴っているかどうかを評価するためには、ソラナネットワークの指標を分析する必要がある。このエコシステムの中心にあるSOLは、DEX取引、ステーキングソリューション、NFTマーケットプレイス、ギャンブル、ゲーム、ソーシャルネットワークなどの分散型アプリケーション(DApps)に必要だ。
ソラナのスマートコントラクトにおける総ロック価値(TVL)はSOLの価格に影響を与える可能性がある。TVLが高いということは、ソラナベースのDAppsへのユーザー活動と需要が増加していることを示唆し、需要を駆動し価格にプラスの影響を与える可能性がある。

ソラナの最近のデータは注目すべき成果を明らかにしている。そのTVLは2022年11月以来の最高水準に達し、SOL4037万に達しており、2024年には年初から30%の増加を記録している。これに対して、イーサリアムのTVLは同期間に15%増加し、BNBチェーンは12月31日以降のBNBデポジットで12%の上昇を記録している。これは、ソラナが他のプラットフォームに比べてDAppsの活動をより多く引き付けたことを裏付けるものだろう。

ソラナネットワークにおけるこのTVL成長の影響をさらに探ると、特定のDAppsが大量の取引高と大規模なユーザーベースを管理していることが分かる。
例えば、DappRadarによると、NFTマーケットプレイスのオープンシーは週間取引高で78億ドルを記録し、ステーキングソリューションJitoはわずか1週間で102%の驚異的な急増を見せた。また、クロスチェーン流動性取引所Sabreも同期間に130%の取引高増加を経験した。
ソラナの成功は、突発的なトランザクション急増に対処する他の競合ブロックチェーンの苦闘に部分的に起因している。たとえば、アバランチネットワークは2月23日にインスクリプション関連の問題でブロック生成が停止した。ソラナも2月6日に5時間の停止を経験するなど自身の課題を抱えているが、これらの問題を認めることで否定的な影響を減らし、業界全体の拡張性の課題を浮き彫りにしている。それでも、ネットワーク指標をみると、SOLトークンが天井を付けたというわけではなさそうだ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
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