ソーシャル・トークン・プラットフォームであるビットクラウト(BitClout)上にシンガポールのリー・シェンロン首相の名前を使ったトークンが無断で販売されていたことがわかり、リー首相が注意喚起した。

リー首相は2日、「ユーザーが独自の仮想通貨を購入したり投機したりできるブロックチェーン・プラットフォームに、私のツイッターのプロフィールが、許可なしに使用されていることが分かった」と投稿。さらにシンガポール国民に対し「仮想通貨プラットフォームを使う際には警戒すべき」と呼びかけた

リー首相によると、何者かが氏名やツイッターアカウントの経歴、写真を無断で使い、ビットクラウト上でリー首相のトークンを作成したという。すでに27.4088トークンが発行されており、時価総額は9800ドル以上、少なくとも1人が4.77ドル分のトークンを保有していた。

「このサイトの制作者は不明だが、私はこのプラットフォームとは何の関係もないので、名前と写真をすぐにサイトから削除してほしいと公開ツイートを送った。誤解を招くような内容で、私の許可なく行われていた。」

ビットクラウトは登録ユーザーのアカウントや投稿に投資できるSNS。誰もが自身のアカウントに対するトークン「クリエーターコイン」を発行でき、売買できるプラットフォームだ。ウェブサイトによると、プラットフォーム開始時点で、ツイッターアカウントを使い、一定数のトークンが自動で生成されていたようだ。

「ツイッターのトップ15000人のインフルエンサーのプロフィールは、あらかじめプラットフォームに組み込まれており、彼らがまだプラットフォームに参加していなくても、コインを売買することができる」としている。

そのため、リー首相のアカウントは要請後に削除されたようだが、一定期間表示されていた可能性がある。リー首相のフォロワー数は79万2000人以上だ。

ビットクラウトではトークン販売を行うためにプロフィールの入力などを行う必要がない。テスラCEOのイーロン・マスク氏はビットクラウトに正式に参加していないが、すでに多くのユーザーが同氏のトークンを保有しており、1トークンあたり89379.39ドルとなっている。

リー首相は仮想通貨プラットフォームを使った投資は「詐欺の餌食になる」可能性を指摘し、シンガポールの金融庁であるシンガポール金融管理局(MAS)の規制下にある企業とだけ取引するように呼びかけた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン