プライバシーに特化したメッセージアプリである「シグナル(Signal)」が仮想通貨決済サービスの開発を進めていると報じられている。テクノロジー関連のニュースレター「プラットフォーマー(Platformer)」創設者のキャセイ・ニュートン氏が明らかにした。
ニュートン氏によると、シグナルはステラベースで構築された匿名通貨プラットフォームである「モバイルコイン(MobileCoin)」を利用したパイロットテストを実施。仮想通貨取引所バイナンス上で行ったという。
シグナルのCEOを務めるモクシー・マーリンスパイク氏はモバイルコインのプロジェクトアドバイザーを務めており、このテストはシグナルへの応用を計画したものではないかと推測されている。
プラットフォーマーの報道によると、マーリンスパイク氏は今回のテストを「設計上のテスト」としており、「もし我々がシグナルに決済を組み込むことを決定したら、その方法を真剣に検討するだろう。仮定の話は難しい」と加えている。
一方でニュートン氏は、シグナルの元従業員の話として、同社がシグナルにMobileCoinを統合するためのプロトコルを設計していることを報じている。これについて、モバイルコインはツイッターで、「モバイルコインはシグナルではない」との関係を説明した。
To be clear MobileCoin is very much not Signal. We’re fans of their work but we are not them. Moxie advises us but Signal is a fiercely independent non-profit. We would love for them to use the tech we made but the choice is theirs and theirs alone.
— MobileCoin (@mobilecoin) January 16, 2021
仮にこの話が事実であり、実現が進めば、シグナルはデジタル決済と仮想通貨を統合するアプリとなる。
ただ、匿名通貨をメッセージングアプリに統合するとなると、課題も多い。規制当局の厳しい審査があるためだ。フィナンシャルニュースによると、複数の金融サービス企業はすでにワッツアップ(WhatsApp)からシグナルにトレーダーが移行したことで規制上の盲点があることを懸念している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン