プラットフォーム上への分散型評判システムの構築がユーザーにより求められているが、例えそれが信頼構築によく利用される手段であってもBitsquareは採用しない考えのようだ。

Redditユーザーの中には、プラットフォーム上の機能として含まれているべきだと改善を求めた者もいたようだ。しかしながら、Bitsquareのチーフ・ディセントラリスト、Mihail Mihaylov氏は、コインテレグラフとのチャットの中で、システムが他人を欺くために利用される可能性がある点について言及している―

 

「例えば、ある女性が高い評判を得ていたとします。それは、多くのユーザーが彼女に対して信頼を置いているということを意味します。しかし、そのようなシステムは、評判スコアを頼りにしている誰かを欺く目的で、指定されたユーザーの評判をコントロールし上昇させることができてしまいます。もし彼女が数多くの偽造IDを持っていたとしたら、簡単に評判を爆発的に増大させることができてしまい、彼女を信じるように正当なユーザーをミスリードすることが出来てしまうでしょう。これはシビル・アタックと呼ばれるもので、実行に移すのはあまり難しくはありません」

 

ビットコイン・エコシステムにおけるギャップを埋めるということ

 

このような理由から、システムに対して主要なセキュリティ手段として信頼を置くことが出来なくなっているとMihaylov氏は説明している。詳しく言えば、ネットワークの信頼性は3つのセキュリティ手段の組み合わせから成り立っている―保証金、マルチシグネチャのエスクロウ・アドレス、そして分散型裁定制度だ。

Mihaylov氏は、目先の利益を得る方法よりもむしろ、オープンであること、分散型であること、透明性が高いこと、プライバシーが保護されること―そのインフラ、裁定、そして確固たる哲学に導かれるようにしてビットコイン・エコシステムのギャップを埋めることにフォーカスを当てるということから明示されるような―ビットコインのイデオロギーにおける真の精神にこだわっていると語る。

 

彼はコインテレグラフに次のように語っている―

 

「これらの保護メカニズムに加えて、1トレードあたりのビットコイン取引の量(フィアットは0.75 BTC、アルトコインは1 BTC)には制限があります。ユーザーが取引できる回数には制限はありませんが。こういった1トレードあたりの制限を設けることで、ユーザーのリスクを減らし、詐欺行為に加担する誘因を減らしています」

 

分散型か中央集権型か?

 

今月初めに起きたBitfinexの事件を受けて、分散型か中央集権型か、取引所の形態に関する論争が再び持ち上がり始めている。分散型のプラットフォームとして、Bitsquareは、如何なる仲介人も挟まないピア・ツー・ピア方式で直接トレードが行える、自身の無料且つオープンソースなソフトウェアを自負している。

Bitsquareは分散化の観点を自社の組織的なレイヤーに取り込むことを念頭に入れている。

オープンソースプロジェクトとしてのオペレーションは寄付により成り立っており、個人的な貯蓄や寄付金から資金が供給され、ベンチャーキャピタルによるものではない。取引手数料によって得た収入は、寄付者や、シェアホルダーに対して分配される。トークンはビットコイン・ブロックチェーンにカラード・コインの形をとって表示されることになるだろう。投資家たちはBitsquareのマーケット上でそれらを買うことが出来るようになり、ウォレットの管理も可能になる予定だ。