医療テクノロジー企業セムラー・サイエンティフィックは、2025年第1四半期に保有するビットコイン(BTC)の評価損を計上したと明らかにした。仮想通貨市場が大きく調整するなか、同社は約4180万ドルの評価損を報告している。
4月15日に米証券取引委員会(SEC)に提出した文書によると、セムラーは3月31日時点で3182BTCを保有しており、評価額は約2億6350万ドルとされている。BTC価格は、1月初旬の9万3500ドルから3月末の8万2350ドルまで12%下落しており、4月7日には一時7万5000ドルを割り込む場面も見られた。史上最高値からの調整幅は最大で32%に達した。
セムラー・サイエンティフィックの最高経営責任者(CEO)であるダグ・マーフィー・チュトリアン氏は昨年11月、「私たちはビットコインの取得と保有に引き続き注力しつつ、ヘルスケア事業のイノベーションと成長も支援していく」と語っていた。
ビットコイン保有量において、セムラーは香港のゲーム企業ボヤー・インタラクティブ・インターナショナル・リミテッドを上回り、世界第12位の法人保有者とされている。
5億ドルの証券発行を計画
同日提出された別の文書では、セムラーが総額5億ドル相当の証券を発行・販売する方針を明らかにした。
「私たちは、最大で5億ドルに達する証券を、複数回にわたって随時発行・販売する可能性がある」と文書には記されている。セムラーの普通株式はナスダック市場に「SMLR」の銘柄コードで上場している。
同社は、「当社株価は過去において大きく変動しており、今後も変動が続く可能性がある」と警告している。実際に2025年初め以降、株価は36%下落している。
発行による純収益について、同社は「主に一般的な企業目的に使用する予定であり、それにはビットコインの取得も含まれる」と明示している。
SMLRの年初来価格. Source: Google Finance