米証券取引委員会 (SEC) は18日、ビットコインをベースとしたETF及び投資信託設立に興味を示している2つのトレードグループに担当者書簡を送った。書簡は、仮想通貨をベースとした投資商品を提供する会社はまだSECの法規に適合するものとは言えないと述べている。

 SECの投資運営部長であるダリア・ブラス氏は書簡で「仮想通貨やその関連商品を支持する人々が、そのさまざまな有益性を認識していることは理解できる。しかし我々は、仮想通貨に批判的な人々が情報、取引、評価、この原資産の性質に関連するその他の事柄の透明性に関して様々な懸念を表明していることもまた認識している。これらの観点に鑑みて現時点で我々は、大量の仮想通貨とその関連商品を保有するファンドが1940年法とその法規の要項を満たすものであるかについては大いに疑問に感じている」とした。

 1940年投資会社法はすべてのミューチュアル・ファンド、クローズド・エンド型ファンド、ヘッジファンド、プライベートエクイティファンドそしてその保有会社に関する法規の基本となる法律である。

 書簡は、SECが仮想通貨ファンドのアイデアを支持するかどうか検討するためにグループ側が回答すべき質問を示している。ブラス氏はマーケットの不安定性と、ブロックチェーン・プロトコルの性質から言って、各日の終わりに仮想通貨ポートフォリオの価値を評価するのは困難なのではないかと書いている。

 「例えば、ある仮想通貨のブロックチェーンがいくつかに分岐した場合、複数の仮想通貨の価格が異なってくる可能性があるがこれにはどう対処するのだろうか。」

 1940年法によれば、ファンドは、投資家が各日の終わりにその保有資産を容易に換金できる手だてを講じなければならないのであるが、SECはこの流動性についても問題が生じる可能性があると見ている。

 今回の上場投資信託 (ETF) に関する書簡は、2017年8月のイニシャル・コイン・オファリング (ICO) に関する報告書でもすでに取り上げられた詐欺や市場操作のリスクについても再び触れている。

 2018年1月上旬、SECは2つのビットコイン関連ETFの申請の取り下げを求めたが、この時も、今回の書簡で強調されていた換金性及び価値評価(バリュエーション)に関する懸念が理由として提示されていた。

 ビットコインファンドの可能性に対するSECの最終的な姿勢は今のところ好意的なものではない。ブラス氏は、「書簡で示された質問に対する回答が「満足のいくもの」でない限りは、として次のように書いている。

 「SECはファンドスポンサーが、仮想通貨及びその関連商品に大量投資しようとするファンドの開設届出を主導することは望ましくないと考えている。この種の商品の登録申請を提出したスポンサーには取り下げを求めてた」。