米証券取引委員会(SEC)は、証券とみなされる仮想通貨の取引に関するコインベースの規則制定を求める請願を却下した。コインベースは2022年7月にこの請願を提出し、対応を求めていた。

SECのゲイリー・ゲンスラー委員長は12月15日の声明で、委員会の決定を発表した。彼はコインベースの請願を却下する3つの理由を挙げた。

ゲンスラーはまず、既存の法律と規制が仮想通貨にも適用されると主張した。「仮想通貨証券市場について、投資家と発行者が我々の証券法の保護に値しないと示唆するものは何もない」。

コインベースの法務責任者で請願書に署名したポール・グレワル氏は、この論点を予見し、請願書にハウイー・テストとレーヴス判決に関する議論を添付していた。これらは現代の証券法に不可欠な米国最高裁判所での判例である。ゲンスラーはコインベースが添付した論点に応答している。

ゲンスラーは、コインベースが提案した規則制定のタイミングが間違っていると続けた。SECは現在、仮想通貨に適用される規則に関するコメントを求めているという。最後に、ゲンスラーは規則はSECの裁量で作成されると述べた。「我々は、規制のアジェンダのタイミングと優先順位、および才能ある勤勉なスタッフを最善に活用する方法を熟考している」。

SECの委員であるヘスター・ピアース氏とマーク・ウエダ氏は、この決定を批判する共同声明を発表した。彼らは、請願で提起された問題に対処する価値があると示唆した。「これらの問題を探求するには、公開のラウンドテーブル、コンセプトリリース、コメントの要求を含むべきであり、それにより市場参加者やその他の関心を持つ当事者から幅広い意見を聞く機会を得ることができるだろう」と彼らは書いた。

グレワル氏はX(旧ツイッター)への投稿でSECの決定に反論した。「第3巡回区裁判所に感謝しつつ、今日この後、SECの義務放棄に異議を唱えることで、再びその助けを求める」と彼は書いた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン