新たなブロックチェーン「コンフラックス」が約39億円調達 大手VCセコイアや仮想通貨取引所フォビなどから

チューリング賞受賞者を含む研究者たちが主導する新たなブロックチェーンネットワークが、セコイア・キャピタルを含む多数の有名ベンチャーキャピタルからの3500万ドル(約39億円)の資金調達を確定させた。フォーチュン誌の仮想通貨関連ニュースセクション「ザ・レッジャー」が12月4日に伝えた。

中国の「コンピューターサイエンスのゴッドファーザー」との異名をとる、チューリング賞受賞者の姚期智(アンドリュー・チーチー・ヤオ)博士は、シンガポールで登記されているコンフラックス財団のトップの1人として同財団の指揮を執っている。チューリング賞は、年に1度コンピューターサイエンスの分野で傑出した功績を残した人物に対し、100万ドルが贈られる賞だ。

「コンフラックス」と名付けられたこのネットワークは、ブロックチェーン最大の障害とされる「拡張性」の問題に対処する目的で設計された。その新たなテストネットは、「毎秒最低6500件のトランザクション」を処理し、「最低20000個のノードに対応」する能力を持つと公表されている。

報道によれば、コンフラックスはセコイアの他に、IMOベンチャーズ、フリースファンド、ロン360、シュンウェイ・キャピタル、F2プール、大手仮想通貨取引所フォビなど、多数の著名テック企業やベンチャーキャピタルから支援を受けたという。またフォーチュンは、「コンフラックスに近い情報筋」の話として、中国の某「有名」インターネット検索会社がこのベンチャー事業の後ろ盾になっていると指摘する。

同財団で共同創業者を務めるトロント大学のファン・ロン教授は、フォーチュンに対し次のように語った。

「コンフラックスの主要なアイデアは、ブロックチェーン全体をいかにして拡張性のあるものにするかということだ。我々はブロックチェーンの構造を変えた。だからもはや、親ブロックの内容に基づいて各ブロックを記録するという意味でのチェーンではなくなっている。(中略)一般に信じられている事実に反し、真の分散化は処理能力を増加させるための犠牲にはならない」

その「主要なアイデア」では、有向非巡回グラフ(DAG)が利用される。これは、さまざまな種類の取引をネットワーク内の異なるチェーン上で同時に実行する、位相順序構造のシステムを利用するブロックチェーンとは異なっている。このプロトコルは仮想通貨やブロックチェーンの分野において、すでにIOTA財団のタングルの構造の基礎として利用され、注目されている。

コンフラックスはDAGを、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)コンセンサスアルゴリズムと組み合わせる。また、ネットワークユーザーがネットワーク上で、スマートコントラクトや分散型アプリ(Dアプリ)を実行できるようにもする。ロン氏はフォーチュンに対し、拡張可能な状態でスマートコントラクトを実行することにより、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)の世界を越え、金融や保険の分野に対しても処理能力の高いプロトコルの利用を拡大することが可能になると話した。

ロン氏によれば、同財団は19年2月末までにそのテストネットを、19年第3四半期までにメインネットをリリースする予定だ。

拡張性の問題はブロックチェーンコミュニティーにおいて、熱心な議論が続いている。一方で、世界的な大手ポストトレード金融サービス会社デポジトリー・トラスト&クリアリング・コーポレーション(DTCC)による最近の研究では、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術(DLT)は実のところ、米株式市場の日々の取引量に十分対応できる拡張性を持つとの結論が出されている。