SBIホールディングスは、デジタルアセット分野を強化する方針だ。26日に開かれた経営近況報告会の中で、北尾吉孝CEOはシンガポールでのデジタルアセット関連の新会社設立や、国内でのSTOのセカンダリーマーケットの整備を進める方針を明らかにした。
シンガポールに新会社設立予定
デジタルアセット分野での事業展開をグローバルに進めるため、シンガポールにデジタルアセットの発行・流通を手掛ける新会社を設立予定だ。
北尾氏は「グローバルな製品に対しては、グローバルな組織体制が必要だ」と強調。SBIデジタルアセットホールディングスを中心にグローバルな態勢を構築する方針だ。
シンガポールで設立するのは、マーケット関連を統括する「SBIデジタルマーケッツ」と、テクノロジー関連を統括する「SBIデジタルテクノロジーズ」の2社だ。設立時期や規模等に関する具体的なことについては、明らかになっていない。
国内ではセカンダリーマーケット整備へ
また国内では今年5月にSTOに向けた法整備整ったことを受け、不動産などでのSTO事業の展開を予定している。
発行を行うプライマリーマーケットとともに、トークン保有者が売買を行うセカンダリーマーケットをPTS(私設取引システム)で整備する考えを示した。
北尾氏によれば、自主規制団体である日本STO協会のメンバーの中で、PTS設立に向けた協議を始めたという。
北尾氏は、STOによって不動産市場の流動性が不十分だったり、登記が不明瞭といった問題を解決できると強調。またファンビジネスといった新しいビジネス創出にもつながると期待している。