中央アフリカ共和国(CAR)は、現在の市場環境とマーケティング上の理由から、独自通貨サンゴコイン(Sango)の仮想通貨取引所への上場を延期すると発表した。Sangoのテレグラムグループで明らかにされた。
サンゴコインは、今後1年間で10億ドル近くを調達する目的で、7月に発売された。しかし、サンゴコインのウェブサイトによると、これまでのところ、166万ドル相当のコインしか売られていないようだ。
今年4月、中央アフリカ共和国はビットコインを法定通貨としたアフリカ初の国家となった。また、同国は以前、外国人投資家が6万ドル相当のサンゴコインで市民権を購入できるようにする計画も発表していた。しかし、この構想は8月に同国の最高裁判所により違憲として阻止された。
コインテレグラフはこのほど、西アフリカのセネガルで開かれた会議に出席した際、サンゴコインの開発を監督した中央アフリカの技術者、ママドゥ・ムスタファ・ライ氏に話を聞いた。決済の専門家であるライ氏は、フィンテックスタートアップのケテ・キャッシュ(Kete Cash)も経営している。ライ氏は、サンゴコインは「通貨ではなくトークン」であることを強調。サンゴは、同国がビットコインを法定通貨として採用する計画に付随するトークンだという。
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まずライ氏は、ビットコインを法定通貨とする法律には、国がビットコインのみを採用することが明記されていると強調した。ここでは他の仮想通貨やサンゴコインについても言及されていない。彼は、サンゴコインとビットコインの間に明確な溝があることを指摘した。
「法律では、法定通貨であるデジタル通貨はビットコインであるとされている。私たちはこれを公式通貨として認めている。(中略)サンゴコインは中央アフリカ共和国国家のためのプロジェクトという位置付けだ」
彼のコメントは、CARのフォースタン・アーシャンジュ・トゥアデラ大統領によって裏付けられている。数学者でもあるドゥアデラ大統領は、ビットコインのみを支持することを声高に主張してきた。しかし、同国がブロックチェーン技術を通じて「明るい未来」に向かうとして、サンゴ・トークンの創設に連帯感を示している。
With #Bitcoin as #legaltender & inspiration, our country opens a new chapter in its inspiring journey towards a brighter future via #blockchain #tech.
— Faustin-Archange Touadéra (@FA_Touadera) June 27, 2022
Everyone is welcome to witness the Sango Genesis Event that will be broadcast on the 3rd of July, on https://t.co/LIQiKGhcBS. pic.twitter.com/7u6knv5f6w
サンゴコインは、外国人投資家に対して、投資による市民権、いずれはCARパスポートなど、魅力的なインセンティブを提供し、ガバナンス上のメリットもある。ある意味、エルサルバドルのビットコインやボルカノ債に匹敵する、迅速な外国人投資サービスを提供するコインと言える。