破綻した仮想通貨取引所FTXの元CEOであるサム・バンクマン=フリード氏(通称SBF)は、米国政府による刑事訴追に応じるとして、身柄引き渡しに同意する考えを示したことがわかった。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。同氏は12日に逮捕されて以来、バハマで拘束されている。
17日には身柄引き渡しに関して拒否しているとの報道が出ていた。
引き渡しに同意することで、バンクマン=フリード氏は米国の裁判所に出頭する。同氏は、顧客や貸し手に対する電信詐欺、証券詐欺、商品詐欺、マネーロンダリング、米国を詐取し選挙資金規正法に違反した謀議などの罪に問われている。
13日にバンクマン=フリード氏は「逃亡の危険」を理由に保釈を却下された。元CEOの弁護士は、SBFは犯罪歴がなく、うつ病と不眠症に悩まされていると主張した。15日にバハマ最高裁判所に2回目の保釈申請が行われたと報じられている。
有罪になれば、バンクマン=フリード氏は115年の懲役となる可能性がある。しかし、彼が今後数カ月、あるいは数年以内に最終的な判決を受けるまで、この事件には「多くの展開がある」と、法律評論家はコインテレグラフに語っている。
元連邦検察官のマーク・コーエン氏は、SBF氏の弁護人として雇われている。コインテレグラフが報じたように、コーエン氏は法律事務所コーエン&グレッサーの共同設立者で、注目されたギスレーヌ・マックスウェルの児童売買事件の弁護団メンバーでもあった人物。
バンクマン=フリード氏は、バハマで唯一の刑務所であるフォックスヒル刑務所に収監されている。2021年に発表された米国務省の報告書によると、フォックスヒルの状況は「過酷」で過密、衛生状態や栄養状態も悪い。被収容者は矯正官から身体的虐待を受けていたとされる。