ロシア中央銀行のエリヴィラ・ナビウリナ総裁は、ロシアが独自のデジタル通貨を発行する必要性はないと語った。既存の電子決済の方法と比較して「十分な利点がない」ためだ。ロシアのタス通信が10日に報じた。

ナビウリナ総裁は、ロシアで開かれたフィンテックフォーラム「FINOPOLIS 2019」に登壇。中央銀行が発行するデジタル通貨についての考えを語った。

「ロシアの中央銀行として、私たちはこのトピックを研究してきた。国家がデジタル通貨を発行する必要性は明白ではない。技術的な理由だけでなく、既存の電子支払いと比較して、国のデジタル通貨が持つ利点が十分に明らかになっていない」

ナビウリナ総裁はまた、ロシアの中央銀行が合法的な支払い手段として仮想通貨を認めているわけではないが、ブロックチェーン技術については将来性があると強調した。

人民銀行副総裁「他国と協力も」

同イベントでナビウリナ総裁とともに登壇した中国人民銀行の範一飛副総裁は、デジタル通貨開発において他国と協力することが重要だと語った。

範副総裁は、中国が現在、デジタル通貨発行に向けた準備を進めているとしたが、具体的な発行の日時については明らかにしなかった。