「ロシアが1兆円分のビットコイン購入を計画」はフェイクニュース?|仮想通貨業界でニュース拡散

「ロシア政府が米国の経済制裁を回避するため、仮想通貨ビットコイン(BTC)の大量購入を計画している」ーー

ロシアのエコノミストの発言をきっかけにしてまことしやかに広がったこのニュース。14日には英国の有力紙テレグラフも報じたが、実は根拠の曖昧なフェイクニュースなのではという見方も出ている。


「ロシア政府が1兆円分のビットコイン購入を計画」

事の発端は、ロシア政府の資金で運営されている国家財政行政ロシア大統領官僚アカデミーRANEPA(Russian Presidential Academy of National Economy and Public Administration)で働く経済学者ウラジスラフ・ギンコ氏が6日、ロシア政府が米国からの経済制裁を理由に100億ドル(約1.08兆円)をビットコインに換金する構想がある事をツイートしたことに遡る。

ギンコ氏のツイートを起点として、1月8日にThe Daily Hodlが最初に取り上げたのをきっかけとして、Bitcoinist、Micky.com.au、TheBitcoinMag.com、ZeroHedgeなど、知名度のある仮想通貨系ニュースサイトが次々とロシアによるビットコインの大量購入計画を報道。国内のブログやニュースサイトなどでも速報として取り上げられている。

さらに14日には英国大手メディアであるテレグラフ紙も「米国の規制に対抗する手段としてビットコインの購入を計画」と題した記事を同じロシア人エコノミストを情報源として報道。米国の経済制裁によってロシア通貨のルーブルが下落していることから、外貨準備を米ドルではなく世界一人気の仮想通貨(ビットコイン)に置き換える計画とギンコ氏の発言を引用しながら解説した。

この記事は14日、仮想通貨業界で拡散された。仮想通貨に詳しいeToroシニアアナリストのマティ・グリーンスパン氏は、「プーチン大統領がブロックチェーン技術の提唱者であること」、そしてビットコインを購入する十分な資金があることから、その信ぴょう性が高いという見解を示している。


また、同記事はデジタル・カレンシー・グループCEOのであるバリー・シルバート氏やベンチャーキャピタリストのマックス・カイザー氏なども賛同のコメントを添えてツイートした。

フェイクニュース?

ビットコイン相場には好材料と業界が盛り上がる一方、CCNは14日、フェイクニュースである可能性を指摘ロシア政府からのこの件に関する公式見解は一度も出ていないほか、頼れるソース(情報源)がギンコ氏のツイートのみである点を問題視した。また、そもそもギンコ氏は過去に妙な発言をツイートしていたと報じた。

『(巨額投資詐欺で逮捕の元NASDAQ会長)バーナード・マドフ氏は本当のサトシ・ナカモトでオバマ政権により檻の中に入れられている。彼の”詐欺計画”により恩恵を受けたのはオバマ政権であり、彼らはその事実を数年間隠してきた。マドフ氏は無罪である #freeMadoff #freeSatoshiNakamoto』

ちなみにロシアのプーチン大統領は去年6月、仮想通貨に対して以下のようにネガティブだが曖昧な発言をしている。

「ロシアの中央銀行は、仮想通貨を決済手段とも価値貯蔵手段ともみなしていない。仮想通貨はなんの後ろ盾もない。我々は注意深く、慎重に扱わなければならない」

米国からの経済制裁への対抗措置としてロシアがビットコインに大量購入するという話は、確かにありえそうな話だ。ビットコインの相場にとってもポジティブな材料になるだろう。しかし、情報源がエコノミストのみ(そしてそのエコノミストの過去の発言には疑問符がつく)であるのも確かだ。フェイクニュースなのかはまだ確証がもてる段階ではないが、改めて事実の裏取りの重要性が感じられる状況だ。コインテレグラフとしても引き続き動向を注視していきたい。