仮想通貨プロジェクトのペペコイン（PEPE）のマルチシグウォレットから1600万ドル（約23億円）が引き出された事情が明らかになった。3人の元チームメンバーが一部始終を仕組んだと指摘されている。

8月24日、コミュニティがペペのマルチシグウォレットから1600万ドル相当のPEPEが引き出され、いくつかの取引所に送られたことを発見した。これにより、売却懸念が広がり、PEPEの価格は約15％急落した。

8月25日の投稿で、ペペコインの創設メンバーの一人が詳細を明らかにした。3人のチームメンバーが突如としてマルチシグから資金を盗み、プロジェクトを完全に放棄し、全権を唯一の残存メンバーに委ねたという。

「マルチシグは承認に4人中3人の署名が必要だった。昨日、この3人の元チームメンバーが私の背後でマルチシグにログインし、26兆のマルチシグ内のトークンの60％にあたる16兆を盗み、それらを売却するために取引所に送った」

彼らはその後、自身をマルチシグから削除し、PEPEとの関連性を全て解消したという。彼らは全てのSNSアカウントを削除し、「マルチシグが更新され、あなたが全権を握るようになった」とのメッセージだけを残したという。

残された創設メンバーは、Xアカウントとマルチシグ内の残りの10兆PEPEが安全に保管されており、これらの資金は新しいウォレットに移され、「使用するか、バーンする必要が生じるまで安全に保管される」とした。また、ペペコインが4月に立ち上げられて以来、これらの元メンバーは共同作業が難しく、プロジェクトの様々な目標達成を妨げていたという。

彼は、悪質な行為者が去った今、PEPEコミュニティのために正しいことをすると誓った。「PEPEは、大きなエゴと貪欲さによって導かれた悪質なチームの一部による内部争いに悩まされてきた」とし、「何が起こったかを理解しながら、コミュニティとトークンの最善の意図を念頭に置いて運営し、無責任なチームメンバーやロックされたマルチシグの状況が私を妨げることがないPEPEの未来を楽しみにしている」とまとめている。

一方で、コメント欄では意見が分かれていた。一部はこの発表を強く支持したが、他の一部はこれらの主張が真実なのかどうかを疑っていた。

執筆時点で、PEPEの価格は過去24時間で5.7％上昇し、0.000000895278ドルに達し、現在の時価総額は3億8270万ドルだ。

翻訳・編集　コインテレグラフジャパン