ビットコインは徐々に仮想通貨のエコシステムにおける主導権を失い始めている。かつては時価総額、取引ボリューム、どちらにおいても暗号通貨市場の95%以上を独占していたビットコインだが、現在では、状況は一変し、それぞれ79%、60%まで落ち込んでいる。
トレンドは懸念すべきものである。コミュニティの専門家の中には明らかに雲行きが怪しいと考えている人もおり―ビットコインはお払い箱になりつつあると考えている人もいる。一方、Bitcoin.comのオーナー、Roger Ver氏は、まだ挽回可能だと考えているようだ。
今回、コインテレグラフはRoger Ver氏とコンタクトを取り、ビットコインがこの停滞した状況から抜け出すにはどうすればいいのか、話を伺った。
コインテレグラフ (以下CT): ビットコインがどうにも停滞してしまったような印象を受けていたりしますか。
Roger Ver (以下RV)氏: これは印象どころの話ではありません。独立した検証可能な事実です。ブロックはほとんどの場合完全に埋まっています。つまり、日々日々のビットコイン取引の数がさらなる消費者の需要に見合う形で増えるということは有り得ません。だからこそ、我々は、頑なにビットコインしか取り扱っていない企業は急いでアルトコインを導入するべきだと考えているのです。これはビットコインのスケールが許されなくなる以前には考えもつかなかったことでしょうし、ブロックはほとんどの場合完全に埋まってしまっています。私は世界中の人々にビットコインを利用してもらいたいのです。そして、ドル、ユーロ、円に対抗する通貨として成長してもらいたいのです。
メインストリームの決済オプション
CT: ビットコインは一般的な暗号通貨から技術的な実験やデイトレーディングの投機対象として興味深い分野へと幅を広げその姿を変えていますね。これはビットコインの持っている真のポテンシャルなのでしょうか、それとも、より身近な形で決済オプションとしてメインストリームになる可能性があるのでしょうか。
RV: もしビットコインのスケールが許されていて、需要に対応することが出来るのであれば、メインストリームの決済オプションとして成長する可能性はあります。しかし、毎秒2.5トランザクションの窒息状態であるのならば、そういったことは絶対に起こることはないでしょう。
CT: 一般人に受け入れられるために、最も大きな障害として暗号通貨の未来が直面していることを一つ上げるとしてたら、何が思い浮かびますか。
RV: 今は、スケーリングの問題がビットコインの直面している最大のハードルですね。プライバシー保護が弱い部分も二番目のボトルネックだと思います。
ハードルを緩和するために
CT: こういったハードルにどのように対処するのが一番良いのでしょうか。
RV: ビットコインはスケール可能なものであるべきですし、ユーザーのプライバシーはより厳重に守られる、そういった機能を開発し、実装する必要があります。
CT: 所謂おばあちゃんのような人が暗号通貨を利用するまでどれくらいかかるでしょうか。
RV: PayPalは実に素晴らしい決済ネットワークだと思います。しかし、PayPalを利用しているおばあちゃんがたくさんいるかどうかは疑わしいですね。ビットコインにも同じことが言えると思います。