リップルのブラッド・ガーリングハウスCEOは、中国の習近平国家主席がその気になれば仮想通貨ビットコイン (BTC)のブロックチェーンを変更する可能性があることについて真剣に考えるべきだと主張した。

現在も開催されている「DC Fintech Week」に登場したガーリングハウスCEOは、もし習主席がビットコインによって多額の資金を損失する事態に直面すれば、ビットコインのブロックチェーンをリオルグするかもしれないと懸念した。

「もし習主席が100万ドル相当をビットコインで失ったらどうなるだろうか?中国共産党がビットコインのブロックチェーンを変更して、ハッキングで失ったかもしれない100万ドルの損失を取り戻すとはまさか思わないだろう」

ビットコインのマイニングにおける計算力を示すハッシュレートの7割近くを中国がコントロールしている

リオルグ(再編成)は、ネットワークで分岐が生まれる現象。今回の場合、マイナーに金銭的なインセンティブを与えることで、ネットワークのハッシュパワーの51%を使ってブロックチェーン上で別の取引記録を作ることを意味する。

ガーリングハウスCEOは、中国のデジタル人民元ばかりが注目されていてビットコイン に与える影響が軽視されていると主張。中国共産党がビットコインのネットワークに対して影響力を行使する可能性について言及した。

「中国の共産党がビットコインに対して影響力を持っていると議論しない方が難しい」

その上でガーリングハウスCEOは、米国がビットコイン関連の技術でも中国に優位性を許してしまっていることが脅威であるという見方を示した。

米規制当局への懸念

リップル社は米国をはじめ世界の規制当局と協力する建設的なアプローチを取っているが、最近は米国における規制の不透明性への懸念から本社を米国外に移すことを検討している。ガーリングハウス氏は、とりわけ仮想通貨の定義について「推測ゲーム」をすることは生産性がないと批判している。