リップルは5日、決済システムへのブロックチェーン導入に関する調査レポートを公表した。決済事業者の多くは、ブロックチェーンを導入するメリットとして「信頼性」や「市場アクセス拡大」、「スピード」といった点に期待している。

この調査は、決済サービスに従事する世界21ヵ国1053人を対象に行ったものだ。リップルは、このサービスはリップルのクライアントを対象にしたものではないと注記している。

ブロックチェーン導入は「フライホイール」

ブロックチェーンの導入について「フライホイール」モデルを提唱している。

回転を開始するたにはかなりのエネルギーが必要だが、勢いが増せば自然と回転を続けることができるという意味だ。

決済ビジネスへのブロックチェーン導入は、まだ始まったばかりであり、「ホイールを動かすための努力が必要だ」と指摘している。

ブロックチェーンの実装・評価は97%

回答者のほとんど(97%)が、ブロックチェーン技術の実装もしくは評価を行っていると回答した。

回答者の31%は、ブロックチェーン導入で、既存のサービスを新しい地域に提供できるなど、国境を超えた(クロスボーダー)決済市場に機会があるとみている。モノやサービスへのデジタル支払いや送金への強い需要があるという。

また調査では、ブロックチェーンを導入するメリットとして、「信頼性」という回答が一番多かった。「市場アクセスの拡大」や「スピード」、「透明性」といった回答も上位に入っている。

出典:Ripple’s Blockchain in Payments Report 2019

システム統合や規制が課題

一方で、回答者の3分の1以上が、ブロックチェーンとの「統合が困難」と回答した(35%)。また「あまりにも高価」という回答も28%にのぼった。

レポートは、実証実験やパイロットプロジェクトを行った事業者が、レガシーシステムに統合することがハードルの1つとなっているようだ。

また回答者の3分の1がブロックチェーンやデジタル資産の規制上の懸念にも触れており、レポートは規制の明確化が今後も必要だと指摘している。