Web3分野の新規プロジェクトにおける最重要課題は、「モチベーションの高い出資者を獲得すること」であり、投資家にとっては「有望なプロジェクトを見つけ、誰よりも早く参加すること」である。その際、重要な役割を果たすのがホワイトリストだ。

ホワイトリストは、早期出資者特典へのアクセスが許可されたユーザーのみが掲載された「優良顧客リスト」だ。プリセール、トークンセール、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)、NFT(非代替トークン)のミンティング、および各種イベントへの参加権は、このホワイトリストに基づいて付与される。ホワイトリストは排他的なゲストリストとして機能し、承認された参加者のみをパーティーに招き入れ、それ以外ははじき出されるのだ。

ホワイトリストが重要な理由

仮想通貨フリークや投資家にとって、ホワイトリストは、アーリーアクセスの機会を意味する。一般人よりも早く出資したり、限定イベントに参加することが可能だ。ホワイトリストに登録されることで、より安価なエントリー価格、新トークンの割り当て、ガス代の引き下げなどの特典が与えられ、投資ポテンシャルが高まる。よく一例としてあげられるのが、Bored Ape Yacht Clubの早期出資者に無料で付与されたNFTがのちに高い市場価値を持つようになった件だ。

プロジェクト側からみればどうだろう。ホワイトリストは、最もモチベーションの高いユーザーにアクティブに参加してもらうための戦略的なツールとして機能する。ユーザーは、ホワイトリスト上のより有利な「枠」を確保するべく、SNSを使ったプロモーションや友人紹介などの活動に積極的に身を投じることとなる。

さらに、ホワイトリストは、トークンやリソースの公平かつ平等な分配を実現し、プロジェクトの所有権が特定の者に集中するリスクを低減する。また、参加者の身元を確認するKYC(本人確認)手続きを実施することで、法規制が求めるセーフガードとしても機能する。ホワイトリストは、本質的にセキュリティを強化させ、参加者を事前に徹底的に審査することで、プロジェクトを潜在的な詐欺や悪意のある第三者から守り、合法的な個人または事業体のみが参加できるようにする。

ホワイトリスト入りへの道

とはいえ、ホワイトリストに登録されることは必ずしも容易ではない。はっきり言って、複雑でリスクのある挑戦だ。まず、ユーザーは、オンボーディングプロセスの一環として自分のウォレットをプロジェクトのウェブサイトに登録する必要がある。そして、少数の「枠」をめぐって何百何千という他の仮想通貨フリークたちと競争を繰り広げなければならない。さらに、ユーザー生成コンテンツの作成、SNSのメンテ(いいね、シェア、サブスク)、紹介者の獲得、プロジェクトのブランド認知度を高める活動など、さまざまな骨の折れる作業を完了して、ようやくホワイトリスト入りの資格が得られるのである。

ホワイトリスト上の「枠」を正規のルートで確保できない人々にとって、ブラックマーケットやグレーマーケットが代替手段として浮上する。だが、これらのマーケットがリスクに満ちていることはいうまでもない。このような取引は、TelegramやDiscordのOTCグループなどの規制がゆるく、セキュリティの低い環境で行われ、参加者は詐欺的なスキームや、ホワイトリストへの信頼と憧れにつけ込んだ悪意のある行為者によって、おそるべき脅威に晒されることになる。

ホワイトリストに安全に登録する方法

これらの問題に対処すべく、画期的な解決策が登場した — WhiteList Zoneである。2023年6月にアルファ版がリリースされたWhiteList Zoneは、仮想通貨フリークがローンチパッド、プロジェクトオーナー、ホワイトリスト当選者から、直接ホワイトリストを購入できるマーケットプレイスとして登場し、その地位を確立した。これらのホワイトリストは、投資家にIDO(Initial DEX Offering)、NFTミンティング、および仮想通貨プロジェクトが主催する各種イベントへの参加権を付与する「黄金のチケット」として機能する。

投資家は、TelegramやDiscordの不透明で不安定な市場にようやく別れを告げることができる。WhiteList Zoneが提供する、ホワイトリストへの安全かつ簡単なアクセス経路を享受できるようになったからだ。ホワイトリストの「枠」を購入するため、投資家はマーケットプレイスを訪れ、入手可能な「枠」のあるプロジェクトのリストを閲覧し、気に入ったプロジェクトがあれば、取引は1分以内に完了する。

Users can discover new projects based on category, network, or sale type. Source: WhiteList Zone

ユーザーは、カテゴリー、ネットワーク、セールタイプに基づき、
新しいプロジェクトを発見することができる。出典:WhiteList Zone

WhiteList Zoneは、詐欺や不正行為を過去のものにするために、ローンチパッドやプロジェクトとの直接的なコラボレーションを重視している。これらのパートナーシップを確立することで、プラットフォームは最初から信頼できるエコシステムをつくり出すことが可能だ。これは、ユーザーがWhiteList Zoneを利用することで、ホワイトリストの取引に合法的に参加していることの証明となる。

さらに、WhiteList Zoneは使いやすいインターフェースとシンプルなオンボーディング体験を提供し、現在140以上の仮想通貨をサポートしており、近日中にクレジットカード支払いを導入する予定である。

ユーザーのエンゲージメントを重視

ホワイトリストの発行を検討しているプロジェクトにとって、WhiteList Zoneは、ホワイトリスト当選者のエンゲージメントを促進するマーケットプレイスとして最高の選択肢となる。この積極的かつ参加意欲の高いコミュニティは、ユーザーの参加とサポートを求めるプロジェクトにとっては貴重な資産といえる。さらに、プラットフォームは、プロジェクトがデータドリブンな意思決定を行うための貴重なデータを蓄積する。このデータドリブン型のアプローチは、ホワイトリストの「枠」の分配を戦略化し、最適化するのに役立ち、より効果的な結果をもたらす。

WhiteList Zoneは最近、Cointelegraph Acceleratorプログラムのもっとも新しい参加者となった。Acceleratorは、ホワイトリスト市場の混乱を収拾させるためにWhiteList Zoneを選んだ。ウクライナに拠点を置くこのプロジェクトは15人のチームからなり、2023年6月にアルファ版をリリースして以来、順調に進捗している。WhiteList Zoneは、71ヵ国からユーザーを集めることに成功し、これまで50以上のプロジェクトから、のべ8,000以上のホワイトリストを取り扱ってきた。さらに、WhiteList Zoneは、2024年Q2にトークン誕生イベントを開催する予定となっている。