米クレジットカードのアメリカンエクスプレスがアンチ仮想通貨の広告のスポンサーをしたのではないかと米SNSのレディット(※)で話題になっている。既存の決済サービス企業による嫌がらせかという批判が集まっているが、コインテレグラフの取材ではアメリカンエクスプレスが本当にスポンサーになったのか確認を取れていない。
問題となっているのは、11日に配信されたブルームバーグのツイッターアカウント「TicToc」。「仮想通貨業界は世界中の電子機器よりエネルギーを使っていると研究者が報告した」という文言の下には「American Expressによってプロモート」と書かれている。
(引用元:Reddit thread, ユーザー: u/Alexsayzz)
ビットコイン(BTC)などの仮想通貨はマイニングと言われる手法で取引の承認を行うが、それには多くのコンピューターが必要で大量のエネルギーを使う。このためエネルギー問題はビットコインの「アキレス腱」だという見方がも出ている。
レディットでは、大手クレジットカードのアメリカンエクスプレスが、プロパガンダを流していると批判が噴出。将来にライバルになりそうな仮想通貨セクターに懐疑的なコンテンツのプロモーションをすることで既得権益を守ろうとしているとみている。
ただ、コインテレグラフが調査したところ、アメリカンエクスプレスがスポンサーをしたコンテンツは発見できなかった。同じコンテンツは依然としてツイッター上に流れているものの、「アメリカンエクスプレスがプロモート」しているとは明記されていない。
現時点で、アメリカンエクスプレスはコインテレグラフからの問い合わせに回答していない。
ツイッター上の匿名のソースはコインテレグラフに対して、問題のツイートがプロモートされたのは一定期間だけではないかと説明した。また、問題のツイートが削除された可能性などもある。さらに、レディット上の画像は合成で、あたかもアメリカンエクスプレスがスポンサーをしたかのように見せた可能性もある。
既存の決済サービス業界からは、仮想通貨を批判する声が出ている。例えば、米決済サービス大手ペイパルの元CEOであるビル・ハリス氏は8月、ビットコインの価値は「かなりゼロに近くなる」と発言した。
※レディット(Reddit)とはアメリカ最大級の掲示板サイト。様々なカテゴリーに対して匿名の書き込みがあり、さながらアメリカ版2ちゃんねると言える。仮想通貨においても多数の投稿がなされている。