インドの中央銀行であるインド準備銀行(RBI)の当局者は、仮想通貨について警鐘を鳴らしており、それが最終的に地域経済の「ドル化」につながると主張している。

インドメディアのエコノミックタイムズの報道によれば、RBIは仮想通貨が普及してしまえば、インドルピーの市場シェアを奪ってしまうことを懸念。ドル建てがメインである仮想通貨の普及は、経済のドル化につながると主張する。

RBIのシャクティカーンタ・ダス総裁などの幹部らは、インド議会の財務委員会に出席し、仮想通貨への懸念を表明した。

「ほとんどすべての仮想通貨はドル建てであり、外国の民間企業によって発行されいてる。いずれは経済の一部がドル化され、国の主権に反することになりかねない」

また仮想通貨の普及は「国の金融システムを規制するRBIの能力を著しく損なうものになるだろう」とも付け加えている。

さらにインドルピーの代わりに仮想通貨を使っての海外送金が行われれば、マネーロンダリングやテロ資金供与につながるとRBIは懸念している。

インドでは2020年3月に最高裁がRBIの仮想通貨禁止措置は意見との判断を下したにも関わらず、RBIは依然として仮想通貨に懐疑的な立場を崩していない。今年4月にインド市場に進出したコインベースは、決済サービスを巡って、RBIから「非公式な圧力」があったことを最近明らかにしている