著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・38,000ドルを挟んでの高値圏でのもみ合い

・来年3月ないし5月利下げ観測が相場のサポートに

・米GDP改定値強く失速

・米財務省、CFTC、フィリピン当局など暗号資産業界への取締り強化始まりつつある

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は高値圏でのもみ合い。

朝方38,000ドル(約560万円)台半ばまで上昇、一旦、37,000ドル(約545万円)台に値を落とすも、再び38,000ドル台半ばまで値を伸ばし僅かながら年初来高値を更新、足元では37,000ドルに値を戻しており、結局38,000ドルを挟んでのもみ合い推移となっている。

BTCは昨日未明にタカ派と知られるウォラーFRB理事が利下げの可能性に言及したことを受け米長期金利が低下、ドル売りの流れの中でBTCは38,000ドル半ばに値を伸ばした。

しかし、25日に付けた年初来高値を更新できずにいるとコインベースがCFTCから召喚状を受け取り、Bybit利用者に関する情報提供を求められると伝わったこともあり38,000ドルを割り込んだ。

コインテレグラフなどはUAEに本拠を置くBybitは表向きは米国人向けにサービスを提供していないことになっているがVPNなどを通じた抜け道が存在していると報じている。

しかし37,000ドル後半で下げ渋ると、先物市場で来年5月利下げの織り込みが上昇、またソラナなどアルトコインが上昇する中、38,000ドル半ばに反発し25日に付けた年初来高値を僅かに更新した。

しかし、フィリピン当局がバイナンスが同国内で無許可営業を行っていると警告したと報じられる中、BTCは上値を重くすると、米第3四半期のGDPの改定値が予想5.0%を上回り5.2%となったことで米長期金利が反発すると、37,000ドル台に失速した。

更に、ハッカーの利用が指摘されているミキシングサービス・シンドバッドを米当局が制裁対象に指定、アデイエモ財務副長官が暗号資産取締りの権限強化を訴える中、BTCは37,000ドル後半での取引を続けている。

なお、今朝方、スイスの資産管理会社PandoがBTC現物ETFを申請、ブラックロックがSECと再協議していると伝わるも、市場の反応は限定的だった。

本日のBTC相場

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