著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・28,000ドル台に上昇

・債務上限交渉で与野党大枠合意

・31日の議会可決まで予断は許さないが、デフォルト回避の公算高まる

・6月利上げ織り込みが7割近くに上昇、指標次第ではリスクオン方向への巻き戻しも

週末のBTC相場

週末のBTC相場は上昇。

木曜日の26,000ドル(約365万円)割れから反発すると、今朝方28,000ドル(395万円)台まで上値を伸ばしている。

債務上限問題で進展が見られないまま資金枯渇が懸念される6月1日が迫る中、水曜日に6月1日期日の短期国債利回りが急騰、BTCも一時26,000ドルを割り込んだが、木曜日にバイデン大統領が2年間の非国防支出増の凍結を打ち出すなど合意に向けた動きが出始めると、じりじりと値を戻し始めた。

結局、木曜日中の合意が見られずBTCの反発は一服したが、金曜日の月末のDeribitのオプションカットを通過すると、CMEの5月限最終取引時間に向け買戻しが優勢となった。

同日発表されたPCEコアデフレーターは前年比4.7%と予想4.6%を若干上回り、金利が上昇、BTCの上値を押さえたが、ドル円の上昇もあり円建てのBTC価格は底堅く推移した。

続くミシガン大の消費者信頼感調査では注目の1年の期待インフレ率が4.2%と予想4.5%を下回り、債務上限問題合意に対する期待感もあり米株が上昇すると、BTCは27,000ドル手前まで上昇した。

その後、26,000ドル台後半でのもみ合いが続いたが、日曜日の朝方、バイデン大統領がマッカーシー下院議長が電話で会談、1時間半の会談後、大枠合意が伝えられると、BTCは27,000ドル台に上昇した。

更に為替市場のオープンにあたり、このところのレンジの上限だった27,500ドルを上抜け、CME先物開始で米株先が上昇したことを好感し28,000ドル乗せに成功している。

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