著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・19,000ドル割れから切り返す

・11月FOMCで12月からの利上げ幅縮小を議論とWSJが報じる

・市場の織り込みがFRBを追い越した格好

・いよいよ一目の雲をトライか

週末のBTC相場

週末のBTC相場は底堅い展開。

19,000ドル(約280万円)近辺で下げ渋ると、今朝方19,000ドル台後半に反発、20,000ドル再トライを窺う展開となっている。

英減税撤回を好感したリスクオンムードの中、BTC相場は先週半ばに19,000ドル後半に上昇したが、一目均衡表の雲の下限に上値を抑えられると、米長期金利の上昇が続く中、じりじりと値を下げていた。

金曜日に米長期金利が更に上昇、10年債が2007年以来の4.3%台に達したことを嫌気し、BTCは19,000ドルを割り込んだ。

しかし、WSJの11月のFOMCで12月以降の利上げ幅縮小を議論するとの観測記事を受け米長期金利が急低下する中、BTCは19,000ドル台に回復、更にデイリー・サンフランシスコ連銀総裁も同趣旨の発言を繰り返すと長期金利はさらに低下、ドル建てのBTC価格はじりじりと値を上げた。

しかし、政府日銀のドル売り介入と見られる動きにドル円が152円手前から146円台(ロイター通信によれば144円台)に約4%急落する中、円建てのBTC価格も289万円から280万円に下落した。

その後、相場は落ち着いたが、先日、大手交換所に上場直後に急落したAptosやDeFiへのハッキング事件などで値を下げていたソラナなど低迷していたアルトコインが反発を見せる中、BTCも上昇に転じ、トラス首相辞任後の党首選への出馬を英ジョンソン元首相が断念したことによるリスクオンも手伝って、今朝方BTCは19,000ドル台後半に値を上げている。

続きはこちら