著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・20,000ドル手前で上値を抑えられる

・英国の混乱はひとまず収束、中銀も国債売却を11月から開始

・20,000ドル手前に一目均衡表の雲の下限が横たわり、ここを抜けられるかがポイント

・インフレ対策を巡り世界経済にきしみが生じ始めており、BTCは浮上に転じるか

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は上値の重い展開。

19,000ドル(約285万円)台後半から20,000ドル(約300万円)を何度か窺うも上値を抑えられると、19,000ドル台前半に値を下げている。

混乱を招いた英減税策をハント新財相がほぼ全面撤回し、トラス首相が陳謝する中、市場はリスクオンで反応し、BTCは19,000ドル台後半に値を上げた。

FT紙が英中銀が9月の会合で決定したものの、その後の債券市場の混乱で延期していた英国債の売却を市場が落ち着くまで開始しないと報じると英ポンドが買い戻され、ドル売りの流れでBTCも若干値を上げた。

しかし20,000ドルを前に上値を抑えられると、英中銀がFT紙の報道は正確でないと否定、BTCは上値の重い展開が続いた。

その後もドル円の乱高下など為替に若干降らされる展開が続いたが、ゴールドマンサックスの好決算もあり米株が高寄りするとBTCは再び20,000ドルを窺った。

しかし、またもや跳ね返されると、米長期金利上昇を嫌気し米株が寄り後失速、中でも決算が予想を下回った暗号資産関連銀行Silvergate株が大きく下落、他にもCoinbase株が前日比マイナス圏に沈むなど暗号資産関連株が不振となる中、BTCは反落した。

結局、英中銀は国債売却を超長期債を除外して11月1日に開始するとし、米株も引けにかけ反発を見せたこともあり、BTCは19,000ドル近辺でサポートされている。

本日のBTC相場

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