著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・39,000ドルに戻す
・中国やトルコの仲介、人道停戦の実現、ウクライナ大統領の軟化など和平の兆しも
・一方、米国は単独でロシア産原油禁輸を発表、事態は予断を許さない
・明日10日はECB理事会・米CPI・露ウ外相会談とイベント多く、本日は様子見か

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は安値圏でのもみ合い。

月曜から火曜未明にかけて39,000ドル(約450万円)台から37,000ドル(約425万円)台に反落したが、その後はじりじりと上昇、39,000ドル近辺まで値を戻している。

中国王毅外相の調停発言やトルコによる露ウ外相会談調整などもあり月曜日の海外時間にBTCは39,000ドルに上昇していたが、米議会でロシア産原油禁輸を求めることが超党派で合意されたことを嫌気し、米株が下落、BTCも未明に37,000ドル台に下落した。

朝方ロシア報道官が8日朝(日本時間午後)に民間人避難のための人道停戦を開始すると発表、米ABCのインタビューでゼレンスキー大統領がNATOが同国を受入れる準備が出来ていないことを理解し、冷静になったとコメント、予定通り停戦が開始されたこともあり俄かに和平期待が高まった。

暗号資産回りでは、Bloombergなどがバイデン大統領が今週中にも暗号資産関連規制の大統領令に署名するとの報道、Coinbaseはロシアの違法取引関連で25,000アカウントをブロックしたとするなど、経済制裁と暗号資産規制を巡る駆け引きが見られた。

その後、米大統領が単独での露原油禁輸を発表したが、既にある程度織り込んでいたせいか直後にSell the Fact気味に原油価格が反落、BTCは39,000ドルに乗せた。しかし、ルーブルが史上最安値を更新、ニッケル高騰で市場がクローズするなど市場の混乱が続く中、BTCも上値を若干抑えられた。

本日のBTC相場

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。