仮名のPump.fun共同創業者サピジジュ氏は、同プロジェクトが4億3600万ドル超のステーブルコインを現金化したとする主張を否定し、ブロックチェーン分析企業ルックオンチェーンによる指摘は「完全な誤情報」だと反論した。
サピジジュ氏はXで投稿し、移転された資金は一切売却されていないと強調した。同氏によれば、USDCはPUMPトークンのICOで集めた資金であり、企業の財務管理の一環として内部ウォレットへ再配分しただけだという。
「Pumpが行っているのは財務管理の一部であり、PUMPのICOで得たUSDCを複数のウォレットに移し、事業の運転資金を再投資できるようにしているだけだ。Pumpはサークルと直接取引したことはない」とサピジジュ氏は述べた。
財務管理とは、プロジェクトが運営資金やICO調達資金、準備金などを配分・保管・移動し、事業継続を確保する活動のことを指す。これらの移動は必ずしも売却を意味せず、ウォレット再編成や将来の開発予算の準備などが含まれる。
コインテレグラフはルックオンチェーンおよびPump.funに問い合わせたが、記事執筆時点で回答は得られていない。
大量移動は売り圧力懸念を招いた
サピジジュ氏の声明は、ルックオンチェーンが、Pump.fun関連ウォレットが10月中旬以降に4億3600万ドルのUSDCをクラーケンに移動したと報告した後に出された。この動きは「大規模キャッシュアウト」と解釈されていた。
資金移動は、Pumpの月間収益が7月以降初めて4000万ドルを下回り、11月は2730万ドルまで落ちたタイミングと重なっていた。
しかし、DefiLlama、アーカム、ルックオンチェーンなど複数のデータでは、Pump.funタグのウォレットに依然として8億5500万ドル超のステーブルコインと、2億1100万ドル相当のソラナ(SOL)が残っていることが確認された。
ナンセンのリサーチアナリスト、ニコライ・ソンダーガード氏は、この売却とみられた動きは「さらなる売りの前触れ」と解釈した。一方EmberCNは、資金は売りではなく、PUMPトークンの機関投資家向け私募分からのものだと指摘している。
コミュニティは懐疑・擁護で分裂
コミュニティの反応は割れた。声明の表現が疑念を深めたとする声もあれば、Pump.funが自らの資金をどう管理するかは自由だと擁護する意見もあった。
XユーザーのVoss氏は、サピジジュ氏の説明には矛盾があると主張した。「移転に関与していないと言いながら、財務管理だと言っている。10時間も考える時間があってその回答か」と批判した。
EthSheepwhale氏というユーザーは、声明自体を全否定し、「エアドロップによる価格操作」やPUMPトークンがICO価格を下回っている状況を問題視した。
CoinGeckoによれば、PUMPトークンは0.002714ドルで取引されており、ICO価格0.004ドルから32%下落。9月の高値0.0085ドルからは約70%下落している。
一方で、より好意的な意見もあった。問題はウォレットの動きではなく、準備金の透明性だと指摘する声もある。
ユーザーのMatty.Sol氏は、「収益やICO資金をどう使うかはPump.funの自由だ。たとえ売っていたとしても問題ない」と擁護した。
またOga NFT氏は、「ICO後にUSDCを動かすのは正当なプロジェクトがよくやることだ」としつつ、重要なのはUSDC準備金が本当に流通供給量を裏付けているかどうかだと述べた。
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