プライバシー問題の専門家が、6種類の人気ウェブブラウザーに関しバックエンドデータ交換に関連するプライバシーリスクを調査したところ、分散型ブラウザー「ブレイブ」の評価が最も高かったという。
ダブリン大学トリニティ・カレッジにおけるコンピューターシステムの責任者ダグラス・リース教授は2月24日、グーグル「Chrome」、モジラ「Firefox」、アップル「Safari」、マイクロソフト「Edge」、ロシア検索エンジン大手ヤンデックス「Yandex」に関して、バックエンドサーバーと共有する個人データ量を比較した調査を発表した。ブレイブのデフォルト設定は、群を抜いてプライバシー指向となっていたそうだ。
6種類のブラウザーを3グループに分類
この調査では、プライパシー指向の度合いについて、6種類のブラウザーを3グループに分類。最も個人情報を共有していないといえるのはブレイブのみで、次がChrome、Firefox、Safariが同列。3番目がEdgeとYandexだったという。
リース教授は、調査結果の中で次のように述べた。
「デフォルト設定で『そのまま』使用したブレイブは、調査対象のブラウザーの中で最もプライバシー指向となっている。長期間にわたりIPアドレスを追跡できる識別子を使用したり、アクセスしたウェブページの詳細をバックエンドサーバーと共有したりといった振る舞いは見つからなかった」
Chrome、Firefox、Safariの3種類については、すべて「ブラウザインスタンスにリンクされた識別子」を持っているそうだ。これら識別子は、ブラウザーの初インストール時に作成され、再起動などを行っても保持される。重要な点は、新規インストール(再インストール)時にリセット(削除)されることだ。
3グループ目のEdgeとYandexは、永続的なハードウェア識別子を保持しており、ブラウザーを再インストールしても削除できないという。
「ハードウェアデバイスとリンクした識別子を送信しており、ブラウザーの新規インストールを行っても保持される。(中略)Edgeは、デバイスのハードウェアUUIDをマイクロソフトに送信する。(中略)同様に、Yandexはハードウェアのシリアル番号とMACアドレスのハッシュをバックエンドサーバーに送信する。ユーザーは、この動作を無効化できないといえる」
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版