仮想通貨イーサリアム(ETH)共同設立者ギャビン・ウッド氏が立ち上げたスタートアップ企業「ポルカドット(DOT)」が7月16日、同社の相互運用プロトコル「ポルカドット」の実験版として「クサマ(Kusma)」ネットワークおよび独自トークン(KSM)を発表した。立ち上げは、2019年夏の予定としている。

ポルカドットは、仮想通貨ビットコイン(BTC)をはじめ、様々なブロックチェーンとその他の分散型仮想通貨プラットフォーム・ネットワーク間の相互運用性(インターオペラビリティ)を高めるために設計されたプロトコル。WEB3財団(W3F)とパリティ・テクノロジーズが開発に参画している。クサマはポルカドットと同じ機能を多く備えるものの、「テストネット」以前の実験場にあたり、ポルカドットのメインネットとは別途平行して存在するコミュニティ主導プロジェクトと位置づけている。

クサマ関連文書によると、典型的な「テストネット」のように経済的に集中管理されておらず、クサマチームと開発者が、実環境に近い環境で複数ブロックチェーンを接続し使用したり、ポルカドットのガバナンス機能、ステーク、その他の機能のテストを行うことを可能にするという。

未知の世界に足を踏み入れ、待ち受ける混乱を体験する

今回のアナウンスにおいて、ウッド氏は「(ポルカドットが最先端の技術のため、)インセンティブ付きの仮のネットワーク(クサマ)を設計・使用し、トークン保有者に報酬(KSM)を提供することで、プログラマーやエンジニアが自分自身の世話をできるようにした」とコメント。さらに、「この未知の世界に最初の1歩を踏み出し、どのような混乱が待っているのか見てみよう」と付け加えた。

またプレスリリースでは、クサマがコミュニティからの要望がある限りは存在し、ポルカドットで開発と展開を行う際に役立つ、リスクの高い機能とプロジェクトが登場するよう期待していると述べられている。

クサマの独自トークン(KSM)

クサマでは、独自トークンKSMが用意され、ポルカドットの独自トークンDOTと同じ方法で提供される。「ユーザーがDOTを購入した場合、ユーザーは同等の(クサマ上の)KSMを所有している」そうだ。W3Fは、現在(KSMを利用したいが)DOTを保有していない人のために、DOTの一部を使用する予定という。

なお、クサマという名称は、「ポルカドット(polka dot)」が水玉模様を意味することから、水玉モチーフの作品群で知られるアーティスト、草間彌生氏に由来するものと思われる。


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版