億万長者のテック投資家ピーター・ティール氏のファウンダーズ・ファンドが、イーサリアム・トレジャリー企業ETHジラから完全に撤退したことが、火曜日に米証券取引委員会(SEC)へ提出された書類で明らかになった。
ティール氏関連の法人は、火曜日に提出した13G修正書類において、同社株式を一切保有していないと報告した。これは2025年8月4日に7.5%の持ち分を開示して以来の動きとなる。
当時、ファウンダーズ・ファンドは旧社名180ライフ・サイエンスの株式1159万2241株を実質保有しており、発行済み株式1億5403万2084株の7.5%に相当していた。2025年8月初旬に1株約3.50ドルで取引されていたことから、評価額は約4000万ドルだった。

180ライフ・サイエンス、ETHジラへ社名変更
180ライフ・サイエンスは2025年7月、イーサリアム・トレジャリー戦略を開始しETHジラへ社名変更するため、4億2500万ドルを調達した。
さらに同年9月には転換社債を通じて追加で3億5000万ドルの資金調達を実施し、イーサリアム(ETH)の保有拡大および分散型金融(DeFi)やトークン化資産への展開を進めた。一時は10万ETH超を保有していた。
しかし市場が悪化する中でトークン売却を開始し、2025年12月には2万4291ETHを平均価格3068.69ドルで売却し、7450万ドルを確保して債務返済に充てた。その結果、バランスシート上の保有残高は約6万9800ETHとなった。
仮想通貨トレジャリー戦略に逆風
ティール氏の撤退は、ビットコイン(BTC)ではなくイーサリアムを中核に据えた仮想通貨トレジャリー戦略を採用する上場企業にとって、新たなストレスシグナルと受け止められている。
一方で他の大口イーサリアム保有企業は異なる対応を取っている。上場企業として最大のイーサリアム保有企業であるビットマインは、2月9日に4万613ETHを追加取得し、総保有量を432万5000ETHに拡大した。これは現在価格ベースで約88億ドル相当となる。
対照的にトレンド・リサーチは今月に入り保有するイーサリアムを全量売却し、2月8日に65万1757ETHを約13億4000万ドルで処分した。推定実現損失は約7億4700万ドルに達する。
ETHジラはその後、航空機エンジンのリースに基づくトークン化エクスポージャーを提供する子会社「ETHジラ・エアロスペース」を立ち上げ、事業多角化を図っている。しかしティール氏の撤退は、イーサリアム中心のトレジャリー戦略が依然として高いボラティリティにさらされている現状を改めて浮き彫りにしている。

