ミーム ーインターネットのジョークやポピュラーカルチャーの参照ー は、オンラインコミュニティの不可欠な部分となっている。このため、仮想通貨は避けて通れない新しい資産の波、「ミームコイン」と呼ばれるものを生み出した。こういったコインは一過性のものだと言う人もいれば、投資家に金銭的利益をもたらすと考えている人もいる。

最近ローンチされた最も人気のあるミームコインの1つは、カエルをテーマにしたトークンであるPEPEである。このトークンは弱気派市場の中で注目を集め、公式ウェブサイトに「コインは完全に無価値であり、娯楽目的のみ」と書かれているにもかかわらず、コミュニティの様々なメンバーから多くの支持を受けている。

PEPEの開発者によれば、PEPEは「ミームコインを再び偉大にする(Make memecoins great again)    」という使命を持っており、これは元 米大統領ドナルド・トランプ氏の政治スローガン「アメリカを再び偉大にす る(Make America great again)  」をもじったものである。また、プロジェクトは「すでに全盛期を過ぎた」とされる 犬をモチーフにしたミームコインを追い抜き、世界で最も認識されやすいとされるミームであるペペを「ミームの王」としての地位につかせる意図も示した。

PEPEがトップに立つためには、ミームコインのチャートで現在トップに君臨しているドージコイン(DOGE)を追い越さなければならない。4月25日に行われたコインテレグラフのTwitterアンケートでは、2025年に最大の時価総額を持つミームコインについて質問したが、DOGEが依然としてトップに立っていた。しかし、PEPEは僅差で2位につけた。

PEPEとドージコインは類似点があるが、お互いに異なるパフォーマンスを示している。どち らのトークンも多くのフォロワーを獲得し、娯楽を目的に作成された。しかし 、10億ドルの時価総額に到達するまでの道のりや、時価総額に達した後のパフォーマンスに違いがある。

ドージコインがミームコイン界でトップに立つまで

ビットコイン(BTC)のジェネシスブロックがマイニングされてから4年後、ソフトウェアエンジニアのビリー・マーカス氏とジャクソン・パーマー氏によってドージコインが作成された。これは、仮想通貨界隈を皮肉るための試みだった。

ドージコインは2014年1月に時価総額が6000万ドルに達した際に初めて注目を集めた。4年後の2018年1月   はトークン価格が0.0100ドルに達したことで、初めて時価総額が10億ドルに達した

DOGEがこのマイルストーンに達した数日後、DOGEは0.0175ドルまで価格を上昇させ、時価総額は19.8億ドルに達したが、2018年1月16日に価格が0.0069ドルに下がった際に、時価総額は7.84億ドルに落ち込んだ。

DOGE’s price chart in 2018 after it first reached a $1-billion market capitalization. Source: CoinGecko

それからほぼ4年後、この仮想通貨は再び上昇した。2021年5月8日、トークンは1トークンあたり0.7315ドルの史上最高価格を付け、時価総額が880億ドルに達した。この値動きは、BTCが新たな高値を更新する中、トークン価格が急上昇した2021-2022年の強気相場と一般的に関連付けられている。

DOGEを作った人々の期待に反して、DOGEはこれまでに存在した最も著名な仮想通貨の一つとなった。記事執筆時点で、時価総額100億ドルで取引されており、ソラナ(SOL)やポリゴン(MATIC)のような、DOGEよりもユースケースが多いとされるトークンを上回っている。

PEPEが時価総額10億ドルに達した後のパフォーマン

DOGEはそのマイルストーンに到達するのにほぼ4年かかったが、PEPEは非常に迅速に人気を博した。ローンチからわずか3週間後、このミームコインは、時価総額が瞬く間に10億ドルに上昇した。トークンは多くの支持を受け、Bybitからバイナンスに至るまで、さまざまな取引所に上場された。

PEPE’s market capitalization reaching $1.8 billion. Source: CoinGecko

10億ドルに到達した後、PEPEはDOGEと似たような動きを見せた。5月5日に10億ドルに達した後、同じ日に市場価値はほぼ20億ドルに迫った。しかし、時価総額が18.2億ドルに達した後、トークンの時価総額は5月9日に7億2500万ドルに急落した。

執筆時点で、トークンは1トークンあたり0.00000192ドルで取引されており、時価総額は8億ドルとなっている。