新たな仮想通貨ペペ(PEPE) の時価総額は、5月6日のピーク時から11億ドル減少しているが、オンチェーンデータによると、一部のクジラが依然として購入していることが示されている。

CoinGeckoによると、過去5日間でこのミームコインの価格は0.00000431ドルのピークから0.00000193ドルにまで56%以上急落した。

ペペの価格の下落に伴い、トークンの時価総額は5月6日のピーク時の18.2億ドルから、記事執筆時点で8.2億ドルにまで沈んでいる。

The market capitalization of Pepe since April 20. Source: CoinGecko.

仮想通貨フィンテック企業Matrixportのリサーチャーが5月8日にまとめたレポートによれば、PEPE価格の急落の要因は、このミームコインが取引量で世界最大の仮想通貨取引所バイナンスに上場した後、大量の保有株を新規の個人投資家に売却するトレーダーによるものという。

さらにレポートによれば、PEPEの価格急騰の最大の原因は4月14日のコイン立ち上げ以来、アジアを拠点とするトレーダーからのものだという。Matrixportによれば、アジアの取引時間帯の買い注文は、5月8日までに見られたPEPEの9,071%の上昇のうち、3,657%を占めていた。

Pepe price performance categorized by trading hours in world time zones. Source: Matrixport.

この仮説を裏付けるもう一つのデータポイントは、仮想通貨が取引所に上場した翌24時間のイーサリアム(ETH)の入金が2021年11月以降の最高水準に達したことである。

仮想通貨市場情報企業Santimentによれば、これは主にPEPEの初期購入者が、Uniswapや1inchなどの分散型取引所でのETHスワップを通じて購入した保有分をイーサリアムに戻すことで利益を確保した結果であるという。

過去1週間での価格の急落にもかかわらず、仮想通貨業界でよく知られているクジラたちは、低調な価格帯でPEPEを購入し続けている。

ブロックチェーン分析企業Lookonchainのデータによれば、元テクノロジー起業家のジェフリー・ファン氏は、過去4日間で合計73.4 ETH(約13万7000ドル相当)のPEPEを購入し、平均購入価格は0.000002082ドルで、現在の取引価格より約3%低い。

他の仮想通貨、例えばドージコイン(DOGE)や同じく犬をモチーフにしたシバイヌ(SHIB)は、それぞれのトークンのさらなる応用やユースケースを構築するためにその成功を利用しているが、PEPEは価値提供のアイデアに立ち向かっているように見える。

基本的にPEPEの匿名開発チームは、トークンが「まったく無価値」であることを明確にし、それだけで投資家が飛び込む十分な理由とされている。カエルをテーマにしたトークンの公式ウェブサイトでは、以下のようにトークンを説明する免責事項が掲載されている:

「$PEPEは、固有の価値や金銭的リターンの期待がないミームコインである。正式なチームやロードマップは存在せず、コインは完全に無価値であり、娯楽目的のみである」