10月26日、米オンライン決済サービス大手ペイパルの共同創業者でベンチャー投資家のピーター・ティール氏は、再度ビットコインの持つポテンシャルを強調し、人々はこれを過小評価していると主張した。オイルマネーが集まるサウジアラビアの首都リャドで行われた投資イベントで語った。

長年のビットコイン支持者

ティール氏はビットコインの初期からの支持者のうちの一人で、2013年にはすでに、ビットコインには世界を変える力があると述べていた。

ペイパルの共同創業者の一人として、ビットコインが金融の世界で革命を起こす可能性を認識し、国家が金融における主権を有する時代は限られており、暗号化された通貨こそが未来である、という考えを長く持ち続けてきた。

またシカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスでの演説の中では、同氏はビットコインはペイパルと違い、実際に通貨を創り出すことに成功した、と指摘している。

Digital gold

サウジアラビアの投資イベントでの発言の中で、ティール氏はビットコインは「デジタルゴールド」になりうると同時に、準備通貨としての役割を果たすこともできるとした。また、ビットコインの様々な特徴、例えば供給量に限りがある点や、採掘可能である点、を実際の金になぞらえた。

ビットコインは準備通貨のようなものであり、金のようなものでもあり、価値の貯蔵器でもある。もしビットコインがサイバースペースにおける黄金と同等のものとなったとしたら、そこにはさらに素晴らしいポテンシャルが備わっている、という。

ただし同氏はビットコイン以外の暗号通貨については熱狂的ではないようだ。それは今年になって起こったアルトコインのブームに乗っかった愛好者にとっては、思わしくないことであろう。

ビットコインに否定的なサウジアラビア王子へのメッセージか

ちなみにティール氏が今回の発言をしたイベント会場のあるサウジアラビアのアル=ワリード・ビン・タラール王子は、ビットコインはエンロンのように崩壊すると考えている。

サウジアラビアにおけるビットコイン取引は許可されてはいるものの、サウジアラビア通貨機構はビットコインへの投資リスクについて人々に警告している。

中東は億万長者を多数抱える地域であり、もし、ティール氏が何とかその一部のオイルマネーをビットコインに投資するように説得することに成功した場合、ビットコインの価格は釣り上がる可能性がある。