金融業界向けのブロックチェーンベースのソリューションを提供するフィンテック企業のパクソスは、カナダ市場からの撤退を決定したと発表した。
同社はウェブサイトで、6月2日以降、パクソスのアカウントで取引ができなくなることを顧客に通知した。ただし、出金は可能。パクソスは、オンタリオ証券委員会(OSC)と協力して、今後カナダ市場への再参入の準備が整った際に再開するかどうかを検討している。
顧客の資金は、アカウントに安全に保管され、アカウント残高に反映されるとしている。ただし、同社は顧客に対し、「できるだけ早く」残高を引き出すよう促している。5月9日には、資金のない顧客のアカウントが自動的に閉鎖される。
一方、6月2日以降もパクソスのアカウントに残高を持つ顧客は、引き出しが可能であるが、新たな取引を開始するための同社のプラットフォームへのアクセスは制限される。パクソスは、顧客に対し、法定通貨の残高を「itBitアカウント」にリンクされた銀行口座に送金するか、デジタル資産を外部ウォレットに送るよう勧めている。
パクソスがカナダ市場から撤退するのは、カナダが仮想通貨プラットフォームに対する規制を強化している時期と重なる。カナダ証券管理者(CSA)は2月22日、仮想通貨取引所に対し、規制当局への登録を待つ間、新たな法的拘束力のある合意に加入するよう通知を発表した。この改訂された合意には、CSAからの書面による許可なしに、価値参照仮想通貨(ステーブルコイン)を仮想通貨契約で購入または預け入れることを禁止する条項が含まれている。