ブルームバーグの報道によると、分散型ソーシャルネットワークのファーキャスター(Farcaster)を開発するマークル・マニュファクトリー(Merkle Manufactory)は、新たな資金調達ラウンドで10億ドルの評価額となる見込みであることが分かった。

このラウンドを主導するのは、コインベースやブラー、dYdX、コンパウンド、シタデル証券、パラダイム。

マークルは2020年に、コインベースの元幹部であるダン・ロメロ氏とヴァルン・スリニワサン氏によって共同設立された。同社の主力製品は、ファーキャスター上に構築されたソーシャルメディアアプリのワープキャストだ。

ロメロ氏は3月28日、「新たな資金調達ラウンドを完了したことを皆様にお知らせする」としてマークルが資金調達を行っていることを投稿で明らかにした。 マークルは2022年7月に、ベンチャーキャピタル会社a16zクリプトから3000万ドルを調達している。

Source: Dan Romero

ファーキャスターは、ワープキャストがフレームと呼ばれる機能を導入した1月以降、ユーザーアクティビティが大幅に増加している。フレームは、プラットフォームを離れることなく投稿内でアプリを実行できる機能。例えば、フレームを使用すると、ユーザーはアプリ内で非代替性トークン(NFT)の発行、取引、外部ブログ記事へのアクセス、アンケートへの回答を行うことができる。

このアップデートは、ユーザーエンゲージメントを大幅に向上させた。デューン・アナリティクスのデータによると、ファーキャスターネットワークの1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)は、1月28日の約5,000人から3月30日には249,000人を超えた。

Farcaster’s daily active users. Source: Dune Analytics

分散型ソーシャルメディアプラットフォームは、ブロックチェーン技術を活用して、ユーザーにデータ、コンテンツ、交流に対する所有権を提供し、従来のソーシャルメディアに見られる中央集権的な制御から脱却する新しい種類のネットワークだ。

これらのプラットフォームは、検閲耐性や仲介者なしのコンテンツ収益化などの特徴を持つ。この分野の有名な企業には、フレンドテックやマインド、マストドンなどがある。業界関係者2人によると、分散型ソーシャルメディアプラットフォームが直面する最大の課題の1つは、ユーザーの維持であるという。