鉱物探査企業パンサー・メタルズが、従来の鉱物資産とビットコインを組み合わせた財務戦略を発表し、月曜のロンドン市場で株価が急騰した。

英証券取引所に上場する同社は、財務戦略の一環として、400万ポンド(540万ドル)相当のビットコイン(BTC)を取得する計画を発表した

さらにこのうち130万ポンド(175万ドル)分のビットコインを担保として活用し、カナダ・オンタリオ州のピック・レイク鉱区の買収を完了させる予定だという。

「今回のスキームにより、ビットコインの保有を維持したままピック・レイクの取得を実現できる」と同社は説明している。

この戦略は、ビットコインを単なる保有資産ではなく「生産的資本」として積極活用するもので、従来のビットコイン財務戦略とは一線を画す。

同社は、金や希少金属を含む「重要鉱物」などの現物資産の在庫を今後も拡大させる方針であり、その成長はビットコイン財務によっても支えられるという。

パンサー・メタルズのCEOであるダレン・ヘイゼルウッド氏は、「ハイブリッド型のアプローチにより、より魅力的なデジタル資本市場の条件を活用しつつ、株主の持分希薄化を抑えながら高品質な鉱物プロジェクトに資金を投入できる」と述べた上で、ビットコインの優位性を強調した。

「現在のインフレ環境と不安定な資本市場において、ビットコインは法定通貨リスクに対する独自のヘッジ手段を提供している」

鉱物資源と仮想通貨のハイブリッドモデル

ピック・レイク鉱区は、同社が手がけるウィンストン・プロジェクトの一部で、同プロジェクト全体の鉱物資源の約85%がこの区域に集中している。

ウィンストン鉱床は「開発段階の亜鉛、銅、貴金属などの多金属資源」であり、さらなる開発と資源構築が期待されているという。

なかでも亜鉛は、鋼材の亜鉛メッキやバッテリー技術に不可欠な重要鉱物として注目されている。

ヘイゼルウッド氏は、「現物資産の安定性とデジタル資本の柔軟性を融合させることで、パンサーは市場サイクルを乗り越え、常に時代の先を行くビジネスモデルを築こうとしている」と語った。

Pick Lake and Winston Lake map. Source: Superior Lake

パンサー株が急騰、1カ月で125%上昇

投資家はこの戦略に好感を示し、パンサー・メタルズ(PALM)の株価は月曜のロンドン証券取引所で21%急騰した。

グーグルファイナンスによれば、同社株は過去1週間で55%、過去1カ月で125%の上昇をみせている。

PALM price, 5 days. Source: Google Finance

企業によるビットコイン保有が加速

ビットコイン財務戦略を採用する企業はますます増加している。

今週初めには、不動産投資家のグラント・カードン氏が、1000BTCの購入を行ったと発表し、自身の企業でビットコインを財務資産に加えた。

一方で、ビットコインの有力保有企業として知られるマイケル・セイラー氏のストラテジーと、日本のメタプラネットも保有量をさらに拡大しており、現在の保有量はそれぞれ59万2345BTC、1万1111BTCに達している。

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