実世界のビジネスを対象としたDeFi(分散型金融)プラットフォームであるPaidネットワークは、「無限ミント」攻撃を悪用され、PAIDトークンの価格は85%超の下落となった。
この攻撃で1億8000万ドル近くのPAIDトークンを獲得したが、これはDeFiプロトコルへの最大の攻撃だったが、ハッカーの手取りははるかに少なくなってしまったようだ。攻撃者のウォレットは、トークンの一部のみをラップド・イーサリアムに変換し、残りは暴落したPAIDトークンになっているという。
Summary of $PAID incident:
— vasa (@vasa_develop) March 5, 2021
Total PAID swapped to WETH: 2079.603371141493
= $3,104,887.33
Total PAID left in account: 594,717,455.71
= $24,313,147
Total amount in attacker account = $27,418,034.33
Stay Safe. pic.twitter.com/Lz93qGKAq0
攻撃者のウォレットには、3700万ドル相当の5700万PAIDトークンがまだ残っている。
この攻撃は、昨年12月下旬に発生した保険プロトコルCoverへの攻撃と似ている。このCoverの場合、Coverチームは攻撃前の所有者の「スナップショット」を取り、新しいトークンを発行して、トークン供給を攻撃前のレベルに戻した。
PAIDネットワークのチームはツイッターで、現在スナップショットと復元を計画していると表明している。
We are investigating the issue. We pulled liquidity, are creating a new smart contract, & will be restoring everyone's original balances to before the hack.
— PAID NETWORK (@paid_network) March 5, 2021
Those with staked, Lpool & UniFarm $PAID will have their tokens be sent to them manually.
We will share more updates soon
しかし、解決を切望しているトークン所有者は運が悪いかもしれない。コミュニティの一部は、PAIDへの攻撃は外部からの攻撃ではなく、「ラグプル」ではないかと推測している。ラグプルとは、コントラクトを悪用して、ユーザーの資金をくすねること意味する隠語だ。
Parafi Capitalのニック・チョン氏は、外部で管理されているアカウントであるPaidデプロイヤーコントラクトが、ミント直前にデプロイヤーの所有権を攻撃者に譲渡されたとツイッターで指摘している。それが内部チームによる「ラグプル」か、もしくはセキュリティ失効により攻撃が行われることを静観した可能性を示唆しているという。
Paid Network's deployer, an EOA, transferred ownership of a contract to the attacker 30 mins before the minthttps://t.co/h14GdV4fCf
— Nick Chong (@n2ckchong) March 5, 2021
さらに、DeFiリスク分析アカウント”WARONRUGS”は、1月下旬にこの攻撃について警告し、このコントラクトの保有者がいつでもPAIDトークンを作成できると警告していた。
❌ Scam Advisory #86- PAID Network $PAID (0x8c8687fC965593DFb2F0b4EAeFD55E9D8df348df)
— #WARONRUGS❌ (@WARONRUGS) January 25, 2021
Reason: The owner can mint tokens and did mint tokens to fresh wallets who never bought the presale. Contract is behind a proxy.
Likeliness of losing all funds: Very High
DYOR. #WARONRUGS❌ pic.twitter.com/YQunjpWuxY
攻撃者に送られたオンチェーンのメモは「LAPD(ロス市警)はまもなくカイル・シャッセと接触するだろう」という不吉なメッセージが入っている。カイル・シャッセとはPAIDネットワークのCEOのことだ。
PAIDネットワークは記事公開時までにコメントの求めに応じていない。