企業向けデータベース管理システムなどを展開するオラクルと、ミツバチなど花粉媒介生物の保護を推進するワールド・ビー・プロジェクト(WBP)が、ブロックチェーン技術を活用し、蜂蜜サプライチェーン向けの持続可能性保証システムを開発している。ブロックチェーン関連メディア「レッジャー・インサイト」が7月5日に報じた。

今回オラクルとWBPが手がけるシステムは、分散型台帳クラウド「オラクル・ブロックチェーン・プラットフォーム」(OBP)上で開発が行われるという。オラクルによると、同プラットフォームは、リナックス財団が推進する法人向け分散型台帳技術(DLT)プラットフォーム「ハイパーレジャー・ファブリック」を利用したものだそうだ。

記事によると、今回の提携は、持続可能な生息地・生態系管理が行われた環境で得た蜂蜜であることを保証する「ビーマーク(BeeMark)」ラベルの立ち上げを目的としているという。ブロックチェーン技術を用いて、養蜂用巣箱から店舗まで蜂蜜サプライチェーンを追跡できるようにする

またビーマークでは、個体数減少の原因調査・解決に向け、ミツバチの生息地に関する環境要因を監視するため、データサイエンスを取り入れることを計画。オラクルは、世界中の養蜂用巣箱にカメラやマイク、温度センサーなどからなる監視システムを設置し、ミツバチの行動と健康状態を追跡できるようにするという。

オラクルは、過去に初期段階の取り組みとしてWBPと協力しており、その際は蜂蜜の真贋証明を保証するブロックチェーン基盤のソリューションを開発したそうだ。レッジャー・インサイトによると、蜂蜜生産者からの情報をOBP上のブロックチェーンに集積し、蜂蜜製品の運搬時に偽物にすり替えらたり、不純物や毒物を添加されていないか、確認できるようにしたものという。今回の新たな取り組みは、これにミツバチの生息地などの生態情報や持続可能性情報も盛り込んだものという位置付けのようだ。


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版