Operaは15日、iOSデバイス・iPhone・iPad向けに、仮想通貨ウォレットが組み込まれたWeb3ブラウザーのベータ版を公開した。同社の「Crypto Browser」は、MacとWindowsのデスクトップPCやAndroidのモバイルでは今年1月から使用できる状態になっていた。Crypto Browserプロジェクトは、分散型アプリケーション(DApp)やゲーム、メタバースのプラットフォーム全般での利用を容易にするためのWeb3に特化したイニシアチブだが、モバイル対応はその最終段階だ。

Operaによると、主な機能としては「Opera Wallet」があり、イーサリアム、ポリゴン、セロのエコシステムでトークンを売買・取り引きできる。また、イーサリアム仮想マシン(EVM)対応のウォレットをネイティブのOpera Walletに復元することも可能で、既存の資産や残高を統合できる。

ブラウザーのホームページでは売れ筋のNFTの最新情報のほか、「Crypto Corner」というニュースフィードが閲覧できる。仮想通貨の価格動向やガス料金、エアドロップに関するニュースが随時更新され、解説記事も掲載されている。

Opera Crypto Browser's default startpage. 

また、iPhoneやiPadの動作を遅くさせるような「クリプトジャッキング」のスクリプトを阻止するマイニング対策機能も備えているという。その他のセキュリティ機能としては、ネイティブ広告ブロッカーやトラッカーブロッカー、ポップアップブロッカーに加え、直感的に使用できる「Cookie Dialogue Blocker」も含まれている。

Operaでモバイルを担当するヨルゲン・アルネセン上級副社長によると、仮想通貨歴の長短に関係なく、Crypto BrowserはユーザーのWeb3への関心の高まりに狙いを定めているという。

「『Opera Crypto Browser』プロジェクトは、主流のユーザーが混乱を覚えるようなWeb3のユーザー体験を単純化させるために構築された。Operaは、Web3の最大の可能性を引き出し、また大衆化させるために、使いやすいものにしなければならないと考えている」