仮想通貨分析プラットフォームのグラスノードは、ビットコインの価値を評価するオンチェーン指標が「高リスク」ゾーンに入ったと報告し、ビットコインが強気相場の初期段階にある可能性を示している。

2月10日のレポートでグラスノードは、ビットコインの長期的な評価と市場価値を比較する指標が「中リスク」ゾーンを突破し、「高リスク」の帯域に完全に入ったことを明らかにした。

高リスクレベルは通常、ビットコインの強気相場の初期段階を示すとされ、長期投資家の収益性が回復していることを表すという。

長期保有者の市場価格対実現価値比率(MVRV)は、ビットコインが「適正価格」と比較して割高か割安かを判断する指標だ。

これは、ビットコインの「市場価値」と、長期保有者のウォレット間でビットコインが移転されたときの価格である「実現価値」を比較し、短期的な市場感情を排除することで、市場が過熱しているかどうかを示すことができる。

グラスノードは、MVRV、供給収益性状態、ネット未実現損益など、10個の指標のうち7個に高リスクまたは非常に高リスクの評価を与えている。これは、仮想通貨価格が大幅に上昇しているにもかかわらず、投資家が獲得した実現利益のレベルが非常に低いことを示唆している。

Seven of the 10 indicators were assigned a high or very high rating. Source: Glassnode

グラスノードは、ビットコインブロックへの需要と新規投資家による短期的な利益確定は「低リスク」のカテゴリに入っていると指摘し、米国でのビットコイン現物上場投資信託(ETF)承認後の売り圧力が、市場全体のリスクを押し下げたと付け加えている。

先週のビットコインの強さは、グレイスケールが新たにETFに転換したグレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)からの流出が減少していることと、1月11日の運用開始以来、9つのスポットビットコインETFに91億ドルの資金流入があったことが要因とみられる。

仮想通貨分析プラットフォームのSoSoValueのデータによると、ビットコイン現物ETFは2月9日に5億4100万ドルの純流入を記録し、初日を除けば過去最大の流入となった。

一方、グレイスケールのGBTCは2月9日に5180万ドルの流出を記録し、これは1月23日に記録した過去最大の1日流出額6億2000万ドルから91%減少している。