旧式のビットコイン(BTC)マイニングリグは、仮想通貨市場の下落が続く中で、プラスの収益を上げることが難しくなっている。

マイニングリグの収益性が75%低下

ビットコインがこの6月13日に24,000ドルを下回った後、多くのASIC(特定用途向け集積回路)マシンの収益性がマイナス圏に落ち込んだことが、F2Poolが取得したデータで明らかになった。それらのマシンにはAntminer S11とAvalonMiner 921が含まれており、これは現在「シャットダウン価格」に近い状態になっている。

注目すべきは、ビットメイン社製のAntminer S11が、1530ワットの消費電力で20.5テラハッシュ/秒(TH/s)の最大ハッシュレートを実現している点だ。

Antiminer S11の稼働コストは、世界平均の電力コストに基づくと、1時間あたり0.13キロワット(KW/h)だ。その結果、ASIC Miner Valueが収集したデータによると、同期間のおよそ2ドルの収入に対して、毎日およそ4.5ドル分の電力を消費することになる。

The profitability of Antminer S11 as of June 13, 2022. Source: Bitmain

同様に、カナン社製のAvalonMiner 921のランニングコストは、同期間の収入が2ドル強であるのに対し、1日あたり5ドル程度になる。

ビットコインハッシュプライス指数」によると、全体としてビットコインマイナーの収益は2021年10月の1THs/日あたり0.412ドルから2022年6月には1THs/日あたり0.11ドルまで低下、8カ月で75%減少した。

Bitcoin Hashprice Index one-year chart. Source: Hashrate Index

CoinWarzのデータによると、この7日間でビットコインのマイニングハッシュレートも急激に低下し、6月6日に過去最高の239.15エクサハッシュ/秒(EH/s)だったのが6月13日には189.72EH/sになっている。

Bitcoin hashrate data in last 12 months. Source: CoinWarz

これは理論上、マイナーが収益性の低いマイニングリグを停止することでBTCの生産能力を抑えていることを示唆している。もしビットコインが25,000ドル以上に回復しない場合、もしくは採掘難易度が調整された場合には、今後数週間にわたって続く可能性がある。

マイニング企業の株価も苦戦

6月13日、ビットコイン価格は仮想通貨市場の暴落を受けて、2020年12月以来の安値を記録した。

BTC価格は、2021年11月に付けた最高値の69,000ドルに対し、記事執筆時点で23,707ドルとなっている。

BTC/USD daily price chart. Source: TradingView

新たなBTCトークンを生成・供給するビットコインマイニング事業者は、価格下落の影響をもろに被っている。例えば、カナンの株価は2021年3月に1株当たり39.10ドルの最高値を付けたが、そこから90%超下落した。

最新型のマイニングマシンは利益

明るい話題としては、最新型のマイニングマシンの中にはまだマイニング事業者に利益をもたらしており、その所有者は弱気なビットコイン市場を乗り切ることができることを示唆している。

記事執筆時点で、新しく発売されたiPollo V1が同時期に9ドルの消費電力に対して約62ドルの収益を出しており、AntminerのSシリーズのマシンは、ビットコインの価格が25000ドル以下にもかかわらず、収益は4.75~18ドルとなっている。

それでも、AntminerのS17+(73T)などの一部のマシンはシャットダウンのしきい値に近づいている。Bitdeerが提供するデータによると、BTCの価格が22,000ドルまで下がると、採算が合わなくなる可能性があるとのことだ。
 

 

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