米財務省は、北朝鮮のハッカーグループ「ラザルス」が盗んだ仮想通貨を法定通貨に交換するのを手助けした、店頭(OTC)仮想通貨トレーダーを特定した。中国と香港の仮想通貨トレーダーは、米財務省の外国資産管理局(OFAC)によって制裁が科された。さらに、中国の銀行家も、不正な資金の流れに関与したとして制裁された。

ウー・フイフイ氏は、北朝鮮のハッカーグループであるラザルスに「物的支援を提供した」ことで、OFACによって制裁された。米財務省が4月24日に発表した声明によると、中国を拠点とするウー氏は、2021年に複数の取引で北朝鮮のラザルスのために、数百万ドル相当の仮想通貨を法定通貨に交換した。

中国政府は仮想通貨取引を厳しく制限しているが、OTC取引は依然として可能である。米財務省は声明で次のように述べている:

「朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)のアクターは、金融機関や管轄当局による検出を避けるため、彼らの代わりに取引を行うために、中華人民共和国(PRC)を拠点とするOTCトレーダーを含むOTCトレーダーのネットワークを頻繁に利用している」

香港を拠点とするイギリス国籍のチェン・ハン・マン氏は、ウー氏に支援を提供したとして制裁された。チェン氏は、フロント企業を使う方法で、ウー氏が米国の金融システムにアクセスする手助けをしたとされている。

中国在住の北朝鮮人シム・ヒョンソプ氏は、朝鮮光鮮銀行の副代表である。彼は、北朝鮮の大量破壊兵器と弾道ミサイルプログラムを支援するため、ウー氏とチェン氏らの資金移動を調整していたいとして制裁された。

司法省はまた、シム氏に対する2つの起訴状を公開した。これによると、シム氏は、OTCトレーダーと共謀して盗まれた資金を使って北朝鮮向けの物資を購入し、北朝鮮の情報技術労働者が米国での不法就労を通じて収入を得る手助けをしたという。4月18日に、ウー氏、チェン氏、そしてシム氏に対する起訴状が提出された。財務省は、FBIと韓国政府が調査に関与していたと付け加えている。

タバコや通信機器も、北朝鮮が盗んだ仮想通貨で入手している物品として挙げられている。北朝鮮のラザルスは、ハーモニー・ブリッジローニン・ブリッジでの巨額の不正流出事件に関与したとされている。