経済協力開発機構(OECD)の米国代表に指名されたショーン・パトリック・マロニー元米下院議員は、就任が確認されれば就任以降から任期終了後4年間は仮想通貨関連の業務に関わらない意向を表明したと報道されている。
2月14日付のポリティコによると、マロニー氏は2月9日にエリザベス・ウォーレン上院議員に書簡を送り、OECDでの任期終了後4年間は仮想通貨企業からの雇用や役員就任を受けないこと、またOECDでの意思決定において仮想通貨政策に関与しないことを約束した。
マロニー氏は2023年5月にジョー・バイデン大統領からOECD大使に任命された。ウォーレン議員はマロニー氏の就任を承認する立場だ。同氏はそれまでニューヨーク州第18選挙区選出の下院議員を務めていたが、バイデン大統領の発表と同時期にコインベースの諮問委員会「グローバルアドバイザリーカウンシル」に加入していた。
ウォーレン上院議員は2023年12月、マロニー氏を含む元政府関係者を積極的に採用するコインベースのような仮想通貨企業の「回転ドア」政策(民間企業と政府関係の役職を行き来すること)を批判しており、これにマロニー氏が反応した形だ。
Crypto companies are spending millions building an army of former defense and law enforcement officials to lobby against new rules shutting down crypto-financed terrorism. This revolving door boosts the crypto industry, but endangers our national security. https://t.co/OGnrL0VKdH
— Elizabeth Warren (@SenWarren) December 19, 2023
ポリティコによると、マロニー氏は「より厳格な倫理基準を自主的に遵守する」との意向を示し、OECDでの任期終了後4年間は仮想通貨企業からの雇用や役員就任の誘いを受けないことを約束した。マロニー氏の指名案は1月24日に米国上院の議題に上程されており、近日中に採決が行われる見込み。
コインテレグラフはコインベースとウォーレン上院議員にコメントを求めたが、記事公開時点では回答を得られていない。
ウォーレン上院議員は、米国議会における仮想通貨否定派として知られており、特にマネーロンダリングやテロ組織への資金供与といった違法行為への対策を目的としたデジタル資産マネーロンダリング防止法案(Digital Asset Anti-Money Laundering Act)を主導している。多くの仮想通貨擁護団体は、デジタル資産マネーロンダリング防止法案は執行権限が過度に広範であり、仮想通貨企業を米国外に追いやる可能性があると批判している。