ニューヨーク証券取引所を傘下にもつインターコンチネンタル取引所(ICE)がブロックチェーン企業であるブロックストリーム社と組み、複数の仮想通貨取引所からのリアルタイム価格データを金融機関向けに配信する業務を展開すると発表した。ウォールストリートジャーナルが伝えた。
ブロックストリームはビットコインの発展にも寄与した著名暗号学者であるアダム・バック氏が主導する会社で、ビットコインのブロックチェーンを衛星信号を通してアクセスできるようにするサービスの推進で有名になったベンチャー企業だ。
ICEによると同社は「仮想通貨データフィード」と呼ばれるサービスを通し、仮想通貨の価格、取引量、タイムスタンプ、注文板情報等を世界中の大手仮想通貨取引所15社以上からデータ採取し、ヘッジファンドやトレーディング会社に配信する。金融機関やヘッジファンドは同フィードの価格情報を使って高速取引等に活用できる。サービス開始は3月としている。
ちなみに同フィードにデータを提供する仮想通貨取引所にはコインチェック、Zaif、ビットバンク等の日本勢も含まれるようだ。
今回の「仮想通貨データフィード」は、現在一般的によく参照される価格情報集計サイトであるコインマーケットキャップの金融機関向けバージョンといえる。
最近になって、コインマーケットキャップのような一般サイトの情報をもとに仮想通貨の取引を行うリスクが注目をあびた。同サイトが韓国取引所の価格データを突然指数計算から除外し市場が急落するきっかけをつくったからだ。
今回ICEとブロックストリームによる試みは、信頼できる価格情報を提供することで仮想通貨業界が「アマチュア感」のある情報源に頼る構造をただすものだ。
ちなみにブロックストリームにとっては今週大きなニュースが続いている。16日にはオンライン店舗上でのライトニングネットワークを使った決済受付を実現させて話題になった。