ビットコイン相場(BTC/JPY)は、昨日から下落が続き年初来安値を更新し続けている。19日から20日にかけてさらに急落し、一時47万円台をつけた。
この価格帯は昨年10月以来の水準である。市場全体にリスクオフムードが蔓延し、底の見えない下落にTwitterのタイムラインをはじめとするSNSでは一部嘆きの声が聞こえる。
(引用元:Tradingview BTC/JPY,2時間足,bitFlyer)
RSIが歴史的な低水準を示す
(引用元:Tradingview BTC/JPY,日足,bitFlyer)
市場のセンチメントを示すRSIは10%を割り込んで、9%台をつけている。通常であれば30%でも売られ過ぎを示す同指標だが、10%を割り込む事は希だ。
それほどリスクオフムードが強く蔓延している事が示されている。年初来から仮想通貨の下落トレンドが続いているが、これほどまでにRSIが低下した事は無い。
果たしてセリングクライマックスなのかどうかは不明だが、市場の心理はかなり悲観的なものと言える。
RSIとは、Relative Strength Indexの略。日本語で相対力指数と訳される。ある一定期間における相場の値動きの強弱を表す指標。RSI 50%を上昇下落の均衡とし、0~100%の間で推移する。50%以上で上昇傾向を示し、70%を超えてくると、買われすぎを意味する(売りシグナル)。50%以下では下落傾向を示し、30%を下回ると売られすぎを意味する(買いシグナル)。
米司法省が仮想通貨テザーを捜査か
米司法省が仮想通貨テザー(USDT)がビットコインの相場操縦に使われている疑惑を捜査していると、ブルームバーグが20日に報じた事が夕方以降の急落の一因ではないかと、一部では指摘されている。
テザーに関する報道は市場を一喜一憂させてきた。今回の米司法省がテザーを捜査しているとの報道は、この急落の最中に拍車をかける格好となった。
仮想通貨市場関係者は今回の暴落をどう見るか
2017年はじめに買った人たちが売り始めた?
仮想通貨トレーディングを手掛けるジェネシス・トレーディングのモロCEOは、仮想通貨メディアのThe Blockの取材に対して、「2017年はじめに(ビットコインを)買った投資家が、今回初めて売りに転じている」と語る。
2017年末の急騰時に参戦した個人投資家は、年明け以降、売り始めていたが、今回の動きは「新しいタイプの売り」だという。2017年はじめのビットコイン価格は約1000ドルだったが、長期のホドラーが利益を確定させようとしているようだ。
ビットコインキャッシュのハードフォークの影響は?
先週末から続く仮想通貨の下落について、多くの論者は、ビットコインキャッシュのハードフォークの混乱による仮想通貨市場での不確実性が増加したことの影響を指摘している。
一方でeToroのアナリストであるマティ・グリースパン氏はツイッターで「ビットコインキャッシュのハードフォークはサイドドラマだ」とし、市場の価格への影響はそれほどないのではないかとの見方を示した。
ただグリースパン氏はCNBCに対して、5000ドルのサポートを割ってしまったあとは「3500ドルまで次のサポートはない」と指摘する。
弱気相場は長期化か?
今回の相場は長期的な弱気相場ともなる見方が出ている。ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストは16日、「この相場は長期的な弱気相場」だと語り、1500ドルまで下落する可能性もあると指摘している。またファンドストラットのアナリストは先週末時点で、ビットコイン価格の回復には「数か月とは言わなくとも、数週間はかかる」との見通しを示している。
その一方で大手監査法人のKPMGは仮想通貨相場について強気の見方を打ち出している。ただその条件は「機関投資家の参入」だと指摘している。米インターコンチネンタル取引所が運営するBakktは12月はじめにも、ビットコイン先物取引を開始すると発表している。果たして相場好転につながるだろうか。
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— コインテレグラフ⚡仮想通貨ニュース (@JpCointelegraph) 2018年10月31日
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