仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)のマイナーは再び大量のBTCを売却しているようだ。

クリプト・クオントのデータによると、マイナーのポジション・インデックス(マイナーのウォレットから流出するBTC比率)は3年ぶりの高値を記録した。この傾向は、マイナーがOTC(店頭)取引やスポット取引所でビットコインを売却していることを示している。

(出典:クリプトクオント「ビットコイン・マイナー・ポジション・インデックス」)

12月10日にクリプト・クオントが公表したデータによると、ポジション・インデックスが2017年以来の水準まで急上昇した後、マイナーによる2つの大きな取引が確認された。

一つ目は1450万ドル相当の800BTCがバイナンスに移動した。次に2億1590万ドル相当の1万1852BTCが未確認のコールドウォレットに移動した。

(出典:キ・ヨンジュ「ビットコインマイニング業者の移動」)

短期的に悪化も

マイナーは通常、スポットもしくは店頭取引でビットコインを売却する。スポット取引所で売りが発生すると、ビットコインに短期的な売り圧力がかかる。店頭取引で売却した場合は買い手への直接販売のため、すぐにはビットコイン価格に影響は出ないだろう。

「明らかにマイナーは今日、多くのBTCを売却した。私はまだロングを続けているが、これは短期的には良いシグナルではない」

さらに次のように加えた。

「総流出量はそれほどではないが、過去数日と比較すると増加している。さらに今回は出金のトランザクションが異常に多い。マイナーから取引所への流れは今の所小さいため、私はロングしている。」

中長期では問題ないか

コインテレグラフは5月、グレイスケールのビットコイン投資信託(GBTC)が、マイニングされているビットコインよりも多くのビットコインを保有していると報じた。

ここ数ヶ月、同社は運用資産100億ドル突破のために保有量を増やし続けている。この傾向が維持されれば短中期的にマイニングやクジラ(大口投資家)の売り圧力を相殺するのに役立つだろう。

マイナーの動向が短期的に反落を引き起こす可能性はある。ビットコインは現在、19600ドルのレジスタンスレベルを何度もトライしているが上回れないでいる。そのため、投資家が急激に調整があるだろうと予想していた時期と、マイナーの売りが重なったとも考えられるだろう。